ChatGPTで議事録は作成できるのか
ChatGPTは会議の議事録作成を効率化できるツールですが、その能力には明確な範囲があります。
結論から言えば、ChatGPTは既存のテキストを構造化・要約することに優れています。会議中に取ったメモや、別の手段で文字起こしした内容を整理し、読みやすい議事録に変換することが得意です。
一方で、リアルタイムで会議の音声を聞いて文字起こしする機能は持っていません。音声からテキストへの変換には、OpenAIのWhisper APIなど、別のツールが必要です。
本記事では、ChatGPTを使った議事録作成の具体的な方法、Whisper APIとの組み合わせ、そして専門的な議事録AIツールとの使い分けについて解説します。
ChatGPTで議事録を作成する3つの方法
ChatGPTを使った議事録作成には、大きく分けて3つのアプローチがあります。
方法1:テキストをコピペして構造化する
最もシンプルで確実な方法は、会議中に取ったメモやチャットのログをChatGPTに入力し、構造化してもらうことです。
以下の会議メモを議事録として整理してください。
- 会議名と日時
- 参加者
- 議題ごとの議論内容
- 決定事項
- 次のアクション(担当者と期限を含む)
- その他の重要な発言
会議メモ:
[メモの内容を貼り付け]
このプロンプトを使うことで、バラバラなメモが整理された議事録に変換されます。
方法2:Whisper API + ChatGPTの組み合わせ
録音した会議の音声ファイルがある場合、Whisper APIで文字起こしし、その結果をChatGPTで構造化する方法が効果的です。
ステップ1: Whisper APIで音声を文字起こし
import openai
audio_file = open("meeting.mp3", "rb")
transcript = openai.Audio.transcribe("whisper-1", audio_file)
ステップ2: 文字起こし結果をChatGPTで構造化
以下の会議の文字起こし結果を、読みやすい議事録に整理してください。
- 冗長な表現を削除
- トピックごとに見出しを付ける
- 決定事項と次のアクションを明確に
文字起こし:
[Whisperの出力結果を貼り付け]
この組み合わせにより、音声ファイルから議事録を作成できます。
方法3:Advanced Voice Modeの活用
ChatGPTの有料プラン(Plus以上)では、Advanced Voice Mode機能が利用できます。これは音声での対話が可能な機能ですが、議事録作成には以下の制約があります。
- 1対1の対話形式が前提で、複数人の会議には向かない
- リアルタイムで記録を残す機能はない
- 会話の内容は後から要約できるが、精度は保証されない
したがって、Advanced Voice Modeは個人的なアイデア整理には使えますが、正式な会議の議事録作成には適していません。
Whisper APIを使った文字起こしの実力
Whisper APIは、OpenAIが提供する音声認識モデルです。ChatGPTとの組み合わせで議事録作成に活用できますが、特性を理解しておく必要があります。
精度と対応言語
Whisper APIは英語で非常に高い精度を誇ります。日本語にも対応していますが、以下の条件で精度が変動します。
- 音質: クリアな録音であれば高精度
- 話し方: 標準的な日本語であれば認識しやすい
- 専門用語: 業界用語や固有名詞は誤認識の可能性がある
- 同時発話: 複数人が同時に話すと精度が低下する
話者分離の課題
Whisper APIには話者を自動で識別する機能がありません。つまり、「誰が何を話したか」を自動で記録することはできません。
複数人の会議では、以下のような出力になります。
はい、その件について説明します。まず予算ですが、今期は300万円を予定しています。
それで十分でしょうか。
十分だと思います。では次の議題に移りましょう。
この例では、3人の発言が連続していますが、話者の区別がついていません。手動で編集するか、話者分離に対応した専門ツールを使う必要があります。
コスト
Whisper APIの料金は音声の長さに応じて課金されます(2026年3月時点で$0.006/分)。1時間の会議で約$0.36です。
コスト面では手頃ですが、話者分離がないことや、リアルタイム処理ができないことを考慮する必要があります。
ChatGPT議事録の限界と課題
ChatGPTとWhisper APIを組み合わせた議事録作成には、以下の制約があります。
リアルタイム処理ができない
会議中に自動で文字起こしをすることはできません。必ず録音してから処理する必要があります。
これにより、以下のような課題が生じます。
- 会議中にリアルタイムで内容を確認できない
- 録音ファイルのアップロードと処理に時間がかかる
- 長時間の会議では処理が複数回に分かれる
話者分離が難しい
前述の通り、Whisper APIは話者を識別しません。会議の参加者が多い場合、誰が何を話したかを後から判別するのは困難です。
長時間会議の処理制限
ChatGPTには入力できるテキストの長さに制限があります。長時間の会議の文字起こし結果は、複数に分割して処理する必要があります。
CRM・SFA連携ができない
ChatGPTはSalesforceやHubSpotなどのCRMと自動連携する機能を持っていません。議事録を手動でコピー&ペーストする必要があります。
セキュリティの懸念
企業の機密情報や顧客情報をChatGPTのAPIに送信することに、セキュリティポリシー上の懸念があります。特に以下の業種では注意が必要です。
- 金融機関
- 医療機関
- 法律事務所
- 政府機関
これらの組織では、データの外部送信を禁止している場合があります。
専門議事録AIツールとの違い
ChatGPTと専門的な議事録AIツールでは、機能と用途が大きく異なります。
| 機能 | ChatGPT + Whisper | 専門議事録AIツール |
|---|---|---|
| リアルタイム文字起こし | × | ○ |
| 話者分離 | × | ○ |
| CRM自動連携 | × | ○(製品により異なる) |
| Web会議との統合 | × | ○(Teams/Zoom等) |
| セキュリティ認証 | △ | ○(ISO/SOC2等) |
| 運用の手間 | 手動操作が多い | 自動化されている |
| コスト | 従量課金(安価) | 月額料金(高め) |
専門ツールの強み
専門的な議事録AIツールは、以下のような機能を提供します。
- 自動記録: TeamsやZoomと連携し、会議を自動で記録
- 高精度文字起こし: 約94%程度の精度を実現
- 話者分離: 誰が何を話したかを自動で識別
- CRM連携: 商談内容をSalesforceに自動入力
- 検索とタグ付け: 過去の議事録から情報を簡単に検索
- セキュリティ: ISO/IEC 27001などの認証取得
例えば、aileadのような対話データAIプラットフォームは、Teams、Zoom、Google Meetの会議を自動で記録し、約94%の精度で文字起こしを行います。話者を自動で識別し、Salesforceのカスタムオブジェクトにも対応しているため、商談内容を自動でCRMに反映できます。
400社以上の導入実績があり、ISO/IEC 27001:2022の認証を取得しているため、企業での利用も安心です。
ChatGPTが優位な場面
一方、ChatGPTが有利な場面もあります。
- コスト: 小規模な利用であれば専門ツールより安価
- 柔軟性: プロンプトを工夫することで多様な出力形式が可能
- カジュアルな会議: 社内の軽いミーティングなど、厳密な記録が不要な場合
ChatGPTと専門ツールの最適な使い分け
会議の種類と目的に応じて、ChatGPTと専門ツールを使い分けることが重要です。
ChatGPTが適している会議
- 社内の定例ミーティング: 議事録の精度より、要点整理が重要
- ブレインストーミング: アイデア出しの記録
- 個人的なメモの整理: 自分用の記録を構造化
- 録音済みの音声: 過去の会議を後から文字起こし
これらの場面では、ChatGPTとWhisper APIの組み合わせで十分です。
専門ツールが適している会議
- 商談: 顧客との会話をCRMに記録
- 採用面談: 候補者の評価を正確に記録
- プロジェクト会議: 決定事項と責任者を明確に記録
- コンプライアンスが重要な会議: 法的な記録として保持
これらの場面では、リアルタイム記録、話者分離、CRM連携が可能な専門ツールが効果的です。
ハイブリッド活用の例
以下のように、両方を組み合わせることも可能です。
- 会議中: 専門ツールで自動記録
- 会議後: ChatGPTで要約やアクションアイテムの整理
- 報告書作成: ChatGPTで議事録を報告書形式に変換
この組み合わせにより、正確な記録と柔軟な活用が両立します。
議事録作成AIツールの比較については、議事録作成AIツール比較2026で詳しく解説しています。また、営業活動全体における生成AIの活用については、生成AI × 営業 完全ガイドも参考になります。
まとめ
ChatGPTは、既存のテキストを構造化し、読みやすい議事録に変換する用途に優れています。Whisper APIと組み合わせることで、音声ファイルから議事録を作成することも可能です。
ただし、リアルタイムの文字起こし、話者の自動識別、CRMとの自動連携といった機能は持っていません。これらが必要な場合は、専門的な議事録AIツールの導入を検討すべきです。
ChatGPTと専門ツールの使い分けのポイントは以下の通りです。
- 社内カジュアル会議: ChatGPT + Whisper APIで十分
- 商談・採用面談: 専門ツールでリアルタイム記録とCRM連携
- セキュリティ要件が高い: 認証取得済みの専門ツールを選択
自社の会議の種類と要件を分析し、最適なツールを選びましょう。
無料デモで、専門的な議事録AIツールの機能を体験することもできます。
ChatGPTの営業活用については、ChatGPTの営業活用ガイドもご覧ください。



