AI議事録ツールは2026年現在、多数のサービスが乱立しています。「AI議事録 比較」で検索すると10〜18選の比較記事が上位を占めますが、ツールの多さに惑わされず自社に最適な1本を選ぶには、まず「何を目的にするか」を明確にすることが重要です。
この記事では、主要8サービスを「議事録メイン型」と「商談解析メイン型」の2タイプに分類し、2026年3月時点の最新情報で比較します。料金・無料プランの制限・セキュリティ認証・CRM連携の深度まで詳しく解説します。
AI議事録ツールとは?2026年の市場動向
AI議事録自動作成ツールとは、Web会議や対面会議の音声をリアルタイムまたは録音後に文字起こしし、AIで要約・構造化するSaaSです。会議後の議事録作成にかかる30分〜1時間の工数をほぼゼロにし、対話データを組織の資産として蓄積・活用することができます。
2026年の市場は3つの変化が顕著です。第一に、Notta Sales Agent(2026年正式展開)の登場など、議事録特化型ツールが商談解析領域に参入する動きが加速しています。第二に、エンタープライズ市場での競争が激化し、SalesforceのカスタムオブジェクトへのデータマッピングやISO/IEC 27001取得が選定の必須条件になりつつあります。第三に、tl;dvなどの海外発PLGツールが充実した無料プランを武器に日本市場への浸透を進めています。
ツール選定で最初にすべきことは、自社の目的が「議事録作成の効率化」なのか「対話データの分析・活用」なのかを確認することです。
AI議事録ツールの2タイプ
AI議事録ツールは大きく2つのカテゴリに分かれます。最初にどちらのタイプが自社の目的に合うかを判断することで、候補を絞り込みやすくなります。
議事録メイン型
議事録メイン型ツールは、会議の音声認識と文字起こし、要約生成に特化しています。機能がシンプルで導入しやすく、個人利用や小規模チームでも始めやすい価格設定が特徴です。
主な機能は、リアルタイム文字起こし・自動要約・話者分離・キーワード検出・テキスト編集とエクスポートです。CRM/SFAとの深い連携や商談分析機能は限定的か非対応のため、「まず議事録作成の手間をなくしたい」というニーズに最適です。
商談解析メイン型
商談解析メイン型ツールは、文字起こしと議事録作成に加え、対話データの分析と業務システムへの連携まで対応します。営業組織やカスタマーサクセスチームでの活用を前提に設計されています。
文字起こしと要約に加え、話す/聞くの比率分析・キーワードとトピックの自動検出・CRM/SFAへの自動データ連携・商談のスコアリングとコーチング支援・チーム横断でのナレッジ共有などの機能を備えています。対話データを単なる記録ではなく組織の資産として活用したい場合に適しています。
ツール選定の5つのポイント
8つのツールの中から自社に最適なものを選ぶには、以下の5つのポイントで比較することをおすすめします。
ポイント1: 日本語文字起こし精度
議事録の品質は文字起こしの精度に直結します。カタログスペック上の精度だけでなく、自社の業界用語や固有名詞がどの程度正確に認識されるかをデモやトライアルで確認することが重要です。日本語に特化したツールと、英語中心で多言語対応として日本語を含むツールでは、実際の精度に大きな差が出る場合があります。フィラー除去(「えー」「あの」など)や同音異義語の判定精度も議事録品質に影響します。
ポイント2: 業務システム連携(CRM/SFA)
議事録作成の効率化にとどまらず業務全体の効率化を実現するには、既存の業務システムとの連携が重要です。Salesforce連携では、カスタムオブジェクト対応・自動データマッピングの柔軟性を確認します。営業組織では商談データの自動入力がどこまで実現できるかがROIに直結します。Slackへの議事録自動投稿やNotionへの出力対応なども確認ポイントです。
ポイント3: セキュリティ・コンプライアンス
会議の内容は営業戦略・顧客情報・人事情報など機密性の高いデータを含みます。確認すべき点は、ISO/IEC 27001などのセキュリティ認証の取得状況・データの保存場所(国内か海外か)・暗号化方式・データの保持期間と削除ポリシー・アクセス制御の仕組みです。エンタープライズ導入では、SSO対応やIPアドレス制限・監査ログの提供なども確認しましょう。
ポイント4: 料金プランと無料プランの有無
ツールによって料金体系は大きく異なります。個人・小規模チームから試したい場合は無料プランの有無と制限を確認します。法人導入では初期費用・最低契約アカウント数・年払いの割引率なども重要な検討ポイントです。機能と価格のバランスは、目的に応じて判断することが重要です。
ポイント5: カスタマイズ性(用語辞書・テンプレート)
業界や社内固有の専門用語を辞書登録できるか、議事録の出力フォーマットをカスタマイズできるか、といった柔軟性も選定基準になります。特に専門用語が多い業界(医療・法律・製造業など)では、用語辞書機能の有無で精度に大きな差が出ます。
AI議事録ツール比較(2026年最新版)
議事録メイン型ツール4選
Notta(ノッタ)
- 提供元: Notta株式会社
- 特徴: 日本語特化の文字起こし、Chrome拡張対応、Zoom/Teams/Meet/Webex対応
- 無料プラン: あり(月200分、1会話5分まで)
- 有料プラン: Premium 1,980円/月〜、Business 2,090円/ユーザー/月(年払い)
Nottaは日本語の文字起こし精度に定評のあるツールです。リアルタイム文字起こしと録音データのアップロード文字起こしの両方に対応し、AIによる要約機能で主要ポイントとアクションアイテムを自動抽出します。2025年12月に23億円のシリーズB調達を完了し、Notta Sales Agentという商談解析機能(2026年展開)も発表されるなど、議事録特化型から商談解析領域への拡張が進んでいます。Salesforce連携はBusinessプラン以上で利用可能ですが、Salesforce側のEnterpriseプラン以上が条件となる点に注意が必要です。
CLOVA Note(クローバノート)
- 提供元: LINE WORKS株式会社
- 特徴: 録音データアップロード型、モバイルアプリ対応、無料で利用可能
- 無料プラン: あり
CLOVA Noteは録音した音声データを文字起こしするツールです。スマートフォンアプリで対面会議の録音とテキスト化が手軽に行えます。話者の自動識別機能を備えており、ブックマーク機能で重要な発言を後から振り返ることも可能です。リアルタイムのWeb会議連携ではなく録音データのアップロード型のため、対面会議の記録に強みがあります。
Otter.ai(オッター)
- 提供元: Otter.ai, Inc.(米国)
- 特徴: 英語の高精度文字起こし、AI質問応答機能(OtterPilot)
- 対応プラットフォーム: Zoom、Teams、Google Meet
- 無料プラン: あり(月300分、1会話30分まで)
- 有料プラン: Pro $16.99/月〜
Otter.aiは英語圏で広く利用される文字起こしツールです。AI質問応答機能(OtterPilot)を使えば会議中にリアルタイムでAIに質問することも可能です。2025年末には年間ARR 1億ドルを突破し、日本語対応も強化されました。ただし日本語の文字起こし精度は英語と比較すると低下するため、日本語の精度を重視する場合は他のツールも比較検討することをおすすめします。
Otolio(旧スマート書記)
- 提供元: エピックベース株式会社
- 特徴: 日本語特化、用語辞書登録機能、AIエージェント(商談向けベータ)、累計7,000社以上導入
- 対応プラットフォーム: Zoom、Teams
- セキュリティ: ISO/IEC 27001取得済み、日本国内(東京リージョン)保存
- 無料プラン: なし(14日間の無料トライアルあり)
Otolio(旧スマート書記)は日本語の議事録作成に特化したツールで、累計7,000社以上に導入されています。業界や社内固有の専門用語を辞書登録できるため、文字起こし精度を自社の用語に合わせて向上させられます。AIによる要約機能とフィラー除去にも対応しており、企業導入を前提とした管理者機能とセキュリティ設定が充実しています。2025年12月にはAIエージェント機能(商談向けベータ版)を開始し、Salesforceへのデータ自動反映にも取り組んでいます。ISO/IEC 27001を取得済みで、データは日本国内(東京リージョン)に保存されます。
商談解析メイン型ツール4選
ailead(エーアイリード)
- 提供元: 株式会社ailead
- 特徴: 約94%の日本語精度、Salesforce連携(カスタムオブジェクト対応)、商談品質スコアリング
- 対応プラットフォーム: Zoom、Teams、Google Meet
- 導入実績: 400社以上
aileadは対話データAIプラットフォームとして、文字起こしから商談分析・CRM連携・コーチングまでを一貫して提供しています。約94%の日本語文字起こし精度を実現し、話者分離により「誰が何を言ったか」を正確に記録します。対面商談にも対応しており、録音データのアップロードと話者分離分析が可能です。
Salesforce連携ではカスタムオブジェクトに対応しており、自社のSalesforce環境に合わせた柔軟なデータ連携が可能です。導入企業の実績では、SFA入力工数を90%削減した事例もあります。
営業組織のセールスイネーブルメントに強みがあり、トップ営業の商談パターンの可視化・新人営業のコーチング・商談品質スコアリングなど、議事録を超えた対話データの活用を実現します。ITreviewのセールスイネーブルメント部門で14期連続Leader受賞、SFAツール部門で12期連続Leader受賞の実績があります。
セキュリティ面では、ISMS(ISO/IEC 27001:2022)を取得し、データは日本国内データセンターで管理しています。
amptalk(アンプトーク)
- 提供元: amptalk株式会社
- 特徴: 自社開発書き起こしAIモデル、SalesforceマッピングによるBANT自動抽出、対面商談対応
- 対応プラットフォーム: Zoom、Teams、Google Meet、Dialpad、Zoom Phone(電話対応)
- 有料プラン: BASIC 月約5,390円/アカウント〜
amptalkは営業組織向けのカンバセーションインテリジェンスツールです。自社開発の書き起こしAIモデルで高精度な日本語文字起こしを実現し、Salesforceマッピング機能でBANT情報(予算・決裁権・ニーズ・導入時期)を自動抽出してSalesforceフィールドに反映します。2025年8月には対面商談モバイルアプリを正式リリースし、Web会議・電話・対面の全チャネルに対応しました。amptalk assistというSalesforce入力支援ツールも独自に展開しています。
tl;dv(ティーエルディーブイ)
- 提供元: tl;dv Technologies(ポルトガル)
- 特徴: PLGモデル、充実した無料プラン、タイムスタンプ付きハイライト機能
- 対応プラットフォーム: Zoom、Teams、Google Meet
- 無料プラン: あり(録画・文字起こし無制限、月10回のAI会議メモ)
- 有料プラン: Pro $18/ユーザー/月(年払い時)
tl;dvは会議の録画と文字起こしを自動で行い、重要な瞬間にタイムスタンプ付きのハイライトを残せるツールです。無料プランで録画・文字起こしが無制限に使える点がPLG戦略の特徴で、G2で4.7/5.0・Capterraで5.0/5.0という高評価を得ています。Salesforce・HubSpot連携も提供されていますが、活動ログ中心の連携のため、Salesforceカスタムオブジェクトへの構造化データ書き込みは限定的です。日本語精度は非公開で、日本法人なし・日本語サポートなしの点も確認が必要です。データは欧州(EU)または米国に保存されます。
Fireflies.ai(ファイヤーフライズ)
- 提供元: Fireflies.ai(米国)
- 特徴: AIボット(Fred)、30以上のサービス連携、豊富なAPI
- 対応プラットフォーム: Zoom、Teams、Google Meet、Webex
- 無料プラン: あり
Fireflies.aiはAIボット(Fred)が会議に参加し、文字起こしと要約を自動で行うツールです。Salesforce・HubSpot・Slack・Asanaなど30以上のサービスとの連携に対応しており、既存ワークフローへの組み込みが容易です。英語中心に設計されたサービスのため、日本語の文字起こし精度やUIの日本語対応は日本発のサービスと比較すると課題があります。
機能比較表(2026年3月時点)
| ツール | タイプ | 対面商談 | Salesforce連携 | データ保存 | セキュリティ認証 | 無料プラン | 料金目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ailead | 商談解析 | 対応(録音+話者分離) | カスタムオブジェクト対応 | 日本国内 | ISO/IEC 27001:2022 | なし | 要問合せ |
| amptalk | 商談解析 | 対応(モバイルアプリ) | マッピング機能あり | AWS(リージョン非公開) | ISO 27001 | なし | 月約5,390円/アカウント〜 |
| tl;dv | 商談解析 | 非対応 | 活動ログ中心 | EU/US | SOC 2 Type 1 | 月10回AIメモ(録画無制限) | Pro $18/月〜 |
| Fireflies.ai | 商談解析 | 非対応 | 活動ログ中心 | US | SOC 2 Type II | あり | Pro $18/月〜 |
| Notta | 議事録 | 対応(汎用録音) | 要Salesforce Enterprise | AWS(リージョン非公開) | SOC 2 Type II + ISO 27001 | 月200分 | Business 2,090円/ユーザー/月〜 |
| CLOVA Note | 議事録 | 対応(汎用録音) | なし | 非公開 | 非公開 | あり | 無料〜 |
| Otter.ai | 議事録 | なし | Businessプラン以上 | US | SOC 2 Type II + HIPAA | 月300分 | Pro $16.99/月〜 |
| Otolio(旧スマート書記) | 議事録 | 対応(モバイルアプリ録音) | AIエージェント経由(ベータ) | 日本国内(東京リージョン) | ISO 27001 | なし(14日トライアル) | 要問合せ |
※ 2026年3月時点の公開情報に基づく。最新の詳細は各サービスの公式サイトでご確認ください。無料プランの内容は変更される場合があります。
無料で使えるAI議事録ツール
コストをかけずに試したい方向けに、主要な無料プランをまとめます。
tl;dv(最も充実した無料プラン): 録画・文字起こしは無制限で利用できます。制限があるのは月10回のAI会議メモ(AI要約・サマリー)です。CRM連携や高度な分析機能はProプラン以上が必要です。英語・欧米チームでの利用に強みがあります。
Notta(日本語対応の無料プラン): 月200分(1会話5分まで)の文字起こしが無料で利用できます。AIによる要約はPremiumプラン(1,980円/月)以上が必要です。日本語精度が高く、日本語中心の会議での試用に適しています。
Otter.ai(英語向け無料プラン): 月300分(1会話30分まで)の文字起こしが無料で利用できます。OtterPilotの自動参加機能はProプラン以上が必要です。英語中心の会議や、英語学習・インタビューでの文字起こしに活用できます。
CLOVA Note: 無料で利用でき、対面会議の録音文字起こしから始めやすい入門向けのツールです。
無料プランで始める際の注意点として、無料プランで試した精度や機能が有料プランの全機能を反映しない場合があります。また、チームでの利用・CRM連携・管理者機能は多くの場合有料プランが必要です。組織導入を検討している場合は、有料プランのトライアルで最終確認を行うことをおすすめします。
導入時の注意点
セキュリティ・データ保存の確認
会議内容は機密情報を含むため、データの保存場所は重要な確認ポイントです。国内規制や社内セキュリティポリシーにより「データは国内サーバーのみ」という要件がある場合、国内データ保存を明示しているツールに絞り込む必要があります。海外サービスの場合、GDPR準拠はあってもデータが日本国外に保存される点を事前に確認しましょう。
また、ISO/IEC 27001の「取得済み」でも取得年号(2013年版か2022年版か)で内容が異なります。最新のISO/IEC 27001:2022を取得しているかどうかも確認ポイントです。
CRM連携の深度を事前確認
Salesforce連携といっても、議事録の活動ログへの同期のみのものと、カスタムオブジェクトへの構造化データ書き込みが可能なものでは、実際の業務効率化の範囲が大きく異なります。導入前にSalesforce管理者を交えた技術確認を行い、自社のSalesforce設定(プランや既存オブジェクト)との互換性を確認することをおすすめします。
小規模チームからの先行導入
全社導入の前に特定チームで先行導入し、利用率・議事録作成時間の削減幅・ユーザー満足度を定量的に計測します。成功事例と数値データをもとに全社展開計画を策定することで、スムーズな全社展開が実現します。
まとめ
AI議事録ツールは「議事録メイン型」と「商談解析メイン型」の2タイプに分かれます。自社の目的が「議事録作成の効率化」なのか「対話データの分析と業務システム連携まで含めた生産性向上」なのかを最初に明確にしたうえで、日本語精度・業務システム連携・セキュリティ・料金・カスタマイズ性の5軸で比較検討することが、失敗しないツール選定の近道です。
まずは無料プランやトライアルで実際の会議データを使って比較し、自社に最適なツールを見極めてください。商談データの分析・SFA入力工数の削減・コーチング強化まで含めた本格活用を検討されている方には。
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ailead編集部
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