NotebookLMは、議事録や会議記録のナレッジ化に活用できます。ただし、リアルタイムの文字起こし機能は搭載されておらず、議事録の作成自体は別のツールで行う必要があります。
本記事では、Google NotebookLMを使って会議記録をナレッジベースとして蓄積・活用する具体的な方法を解説し、専門CIツールとの使い分けを提示します。
NotebookLMとは
NotebookLMは、Googleが提供するAIノート型ツールです。PDF、Googleドキュメント、Webページ、音声ファイルなど、さまざまな形式のドキュメントをソースとしてアップロードし、AIと対話形式で内容を検索・要約・分析できます。
NotebookLMの特徴は「グラウンデッド」な回答にあります。一般的なチャットAIが広範な学習データから回答を生成するのに対し、NotebookLMはアップロードされたソースの内容に基づいて回答します。そのため、出典が明確で、ハルシネーション(事実と異なる回答の生成)のリスクが低い点が強みです。
Googleアカウントがあれば無料で利用を開始でき、1つのノートブックに最大50件のソースをアップロードできます。
会議記録のナレッジ化ステップ
NotebookLMで会議記録をナレッジ化する具体的な手順を解説します。
ステップ1:ソースのアップロード
NotebookLMの新規ノートブックを作成し、会議記録をソースとしてアップロードします。対応するソース形式は以下の通りです。
- テキストファイル(議事録のテキスト、Markdownなど)
- PDF(会議資料、配布資料)
- Googleドキュメント(共同編集した議事録)
- 音声ファイル(会議の録音データ)
- Webページ(関連する社内Wikiやナレッジベースのリンク)
議事録のテキストだけでなく、会議で使用した資料や関連ドキュメントも合わせてアップロードすることで、より文脈を踏まえた回答が得られます。
ステップ2:AIとの対話で情報を引き出す
ソースをアップロードしたら、チャット形式でAIに質問できます。
質問例
- 「先週の営業会議で決定した今月の重点施策は何ですか?」
- 「A社との商談で顧客が挙げた懸念事項をまとめてください」
- 「過去3回の定例会議でリソース不足が議題に上がった回数と内容を教えてください」
NotebookLMはアップロードされたソースの中から該当する情報を検索し、出典付きで回答します。回答の根拠となるソースの箇所がハイライト表示されるため、原文を確認しながら情報の正確性を検証できます。
ステップ3:Audio Overviewの活用
NotebookLMのAudio Overview機能は、アップロードしたソースの内容をポッドキャスト形式の音声要約として自動生成します。2人のホストが対話しながらソースの内容を解説する形式で、移動中や作業中に会議内容をキャッチアップする際に便利です。
たとえば、参加できなかった会議の議事録をNotebookLMにアップロードし、Audio Overviewを生成すれば、テキストを読む時間がなくても音声で要点を把握できます。
NotebookLMの活用シーン
会議記録のナレッジ化において、NotebookLMは以下のようなシーンで特に効果を発揮します。
過去の意思決定経緯の検索 「なぜこの方針に決まったのか」「いつ、誰がこの提案をしたのか」といった過去の経緯を、複数の議事録を横断して検索できます。新しいプロジェクトの企画時や方針変更の検討時に、過去の意思決定プロセスを振り返る用途に有効です。
複数会議を横断したトレンド分析 四半期分の営業会議の議事録をまとめてアップロードし、「受注率の推移について言及された内容をまとめてください」「競合の動向に関する報告を時系列で整理してください」といった横断的な分析ができます。
新メンバーへの引き継ぎ プロジェクトの過去の会議記録をNotebookLMにアップロードしておけば、新メンバーが「このプロジェクトの目的は何ですか」「これまでにどんな課題が議論されましたか」と質問するだけで、文脈を踏まえた回答を得られます。膨大な議事録を全て読む負担を軽減できます。
会議資料の事前準備 過去の関連会議の記録をNotebookLMに入れておき、次回会議の論点整理やアジェンダ作成に活用できます。「前回の会議で持ち越しになった議題は何ですか」と聞くだけで、未解決事項を一覧化できます。
NotebookLMの制約
NotebookLMを業務で活用する際には、以下の制約を理解しておく必要があります。
リアルタイム文字起こし非対応 NotebookLMには会議をリアルタイムで録音・文字起こしする機能はありません。会議の議事録やテキストデータを事前に用意し、ソースとしてアップロードする必要があります。議事録の作成自体はZoomやTeamsの標準機能、または専門の文字起こしツールで行う必要があります。
ソース数の上限 1つのノートブックにアップロードできるソースは最大50件です。大量の会議記録を蓄積する場合は、テーマやプロジェクト別にノートブックを分ける運用が求められます。
CRM/SFA連携なし NotebookLMで分析した内容をSalesforceなどのCRM/SFAに自動入力する機能はありません。商談情報の管理やパイプライン分析には別のツールが必要です。
エンタープライズ向けセキュリティの限界 無料版のNotebookLMは個人向けのサービスであり、企業のセキュリティポリシーに準拠したアクセス制御やデータ保持ポリシーのカスタマイズ機能は限定的です。NotebookLM Plus(Google Workspace経由)では一定のセキュリティ機能が追加されますが、ISO/IEC 27001のような第三者認証はNotebookLM単体では提供されていません。
リアルタイムの共同編集制限 ノートブックの共有は可能ですが、リアルタイムで複数人が同時にAIと対話する用途には最適化されていません。チーム全体での商談ナレッジ共有には、専用のナレッジ管理プラットフォームの方が適しています。
専門CIツールとの使い分け
NotebookLMと専門CIツールは、会議データの活用フローにおいて異なる役割を担います。
| 観点 | NotebookLM | 専門CIツール |
|---|---|---|
| 主な用途 | 事後のナレッジ検索・分析 | リアルタイム録音から分析・CRM連携まで |
| 文字起こし | アップロードされた音声の事後文字起こし | Zoom/Teams/Google Meetと連携したリアルタイム文字起こし |
| 話者分離 | 非対応 | 自動話者分離に対応 |
| CRM連携 | なし | Salesforce連携(カスタムオブジェクト対応)で自動入力 |
| ナレッジ検索 | ソースに基づくグラウンデッドな質問応答 | 商談データベースの横断検索・分析 |
| セキュリティ | 個人向け。エンタープライズはNotebookLM Plus | aileadはISMS(ISO/IEC 27001:2022)認証取得済み |
効果的な併用パターンは以下の通りです。
録音・文字起こし・CRM連携は専門CIツール オンライン商談や顧客対応の録音、リアルタイム文字起こし、Salesforceへの自動入力は専門CIツールで行います。ailead(エーアイリード)はZoom、Teams、Google Meetと連携し、約94%の文字起こし精度で商談を記録。AIエージェントがSalesforceへの自動入力やネクストアクション提案まで自律実行します。
蓄積したナレッジの横断活用はNotebookLM 専門CIツールで作成された議事録や商談サマリーをNotebookLMにアップロードし、過去の意思決定の経緯検索、トレンド分析、新メンバーへの引き継ぎなどに活用します。
この併用により、「会議の記録・分析」と「蓄積されたナレッジの活用」を分業でき、会議データの価値を最大限に引き出せます。
まとめ
NotebookLMは、議事録や会議記録をソースとしてアップロードし、AIとの対話形式でナレッジを引き出すツールとして有効です。出典付きの回答やAudio Overviewによる音声要約など、会議データの事後活用に強みがあります。
一方、リアルタイム文字起こし、話者分離、CRM自動連携といった会議中のワークフロー自動化は、専門CIツールの領域です。
会議の録音・文字起こし・分析には専門CIツールを、蓄積されたデータのナレッジ活用にはNotebookLMを使う併用パターンが、2026年の会議データ活用における現実的なアプローチです。自社の課題に合わせて、適切なツールの組み合わせを検討しましょう。



