オンライン商談の普及と新たな課題
オンライン商談は、新型コロナウイルスの影響で急速に普及し、現在では営業活動の標準となりましたが、対面商談とは異なる特有の課題があります。
2020年以降、多くの企業がオンライン商談を導入し、移動時間の削減、商談件数の増加、全国の顧客へのアプローチなど、多くのメリットを享受しています。
しかし同時に、以下のような課題も顕在化しています。
オンライン商談の3つの課題
1. 顧客の集中力が続きにくい
対面商談では、場の雰囲気や相手の存在感により、顧客は自然と集中します。一方、オンライン商談では、顧客は自分のデスクにいるため、メールやチャットの通知が入る、同僚が話しかけてくるなど、気が散りやすい環境にいます。
2. 信頼関係の構築が難しい
対面では、名刺交換、握手、雑談などの「儀式」を通じて自然と関係が築かれます。オンラインでは、画面越しのコミュニケーションとなるため、「場の空気」が感じにくく、信頼関係の構築に時間がかかります。
3. 技術的なトラブル
接続不良、音声が途切れる、画面共有がうまくいかないなど、技術トラブルが商談の流れを妨げることがあります。
こうした課題を克服し、オンライン商談の成功率を高めるための実践的なテクニックを、本記事では解説します。
オンライン商談の成功率を上げる7つのテクニック
オンライン商談で成果を出すには、対面商談とは異なるアプローチが必要です。以下の7つのテクニックを実践することで、成功率を大きく向上させることができます。
1. 徹底した事前準備
オンライン商談では、対面以上に事前準備が重要です。
アジェンダの事前送付: 商談の前日までに、メールで以下の内容を送付します。
- 商談の目的
- 話す内容(アジェンダ)
- 所要時間
- 参加者
- Web会議のURL
顧客は事前にアジェンダを確認することで、心の準備ができ、商談に集中しやすくなります。
接続テスト: 商談の15分前には、Web会議ツールに接続し、音声・映像・画面共有が正常に動作するか確認します。
初めて使うツール(Zoom、Teams、Google Meetなど)の場合は、前日にテストアカウントで動作確認しておきます。
顧客情報のリサーチ: 顧客のウェブサイト、プレスリリース、SNSを確認し、最近の動向や課題を把握します。商談中に「御社の〇〇について拝見しました」と触れることで、真剣に向き合っている姿勢を示せます。
2. 冒頭5分のアイスブレイク
オンライン商談では、いきなり本題に入るのではなく、最初の5分で雑談を交えたアイスブレイクを入れることが重要です。
効果的なアイスブレイクの例:
- 「今日は天気が良いですね。〇〇さんの地域はいかがですか?」
- 「最近、御社の新製品のニュースを拝見しました。反響はいかがですか?」
- 「Web会議、慣れましたか?私もまだ慣れない部分がありまして…」
アイスブレイクにより、顧客の緊張がほぐれ、リラックスした雰囲気で商談を進められます。
ただし、長すぎる雑談は逆効果なので、5分程度に留めます。
3. 視覚資料を積極的に活用
オンライン商談では、「聞く」だけでなく「見る」情報を提供することで、顧客の集中力を維持できます。
活用すべき視覚資料:
- スライド資料: 商談の流れに沿って、ポイントを視覚的に伝える
- デモ画面: 製品の実際の操作画面を見せる
- 導入事例: 類似企業の成功事例を紹介する
- グラフ・図表: データを視覚的にわかりやすく示す
ただし、スライドを読み上げるだけの「プレゼン」にならないよう注意します。スライドはあくまで補助で、顧客との対話が主役です。
4. トークバランスを意識する
オンライン商談では、営業担当者が一方的に話しすぎてしまうケースが多く見られます。
理想のトークバランス: 営業40:顧客60
顧客の発言時間が多いほど、顧客は「自分の話を聞いてくれている」と感じ、信頼関係が構築されやすくなります。
トークバランスを改善する方法:
- オープン質問を増やす: 「現在、〇〇はどのように進められていますか?」
- 顧客の回答に対して深掘りする: 「それはなぜですか?」「具体的にはどういうことでしょうか?」
- 自分が話しすぎていると感じたら、「ここまでで何か質問はありますか?」と一旦止める
商談録画ツールを使えば、トークバランスを自動で計測でき、客観的に自分の話し方を振り返ることができます。
5. 定期的な確認質問を挟む
オンライン商談では、顧客が理解しているか、興味を持っているかが見えにくいため、定期的に確認質問を挟むことが重要です。
確認質問の例:
- 「ここまでで、何か疑問点はありますか?」
- 「この機能は、御社の〇〇という課題に役立ちそうでしょうか?」
- 「今日お話しした内容で、特に興味を持たれた点はどこでしょうか?」
確認質問により、顧客の理解度や興味度を把握でき、次の話題への移行がスムーズになります。
6. チャット機能を活用する
Web会議ツールのチャット機能を活用することで、商談の情報量を増やし、顧客の理解を深めることができます。
チャット機能の活用例:
- 補足資料のURLを送る
- キーワードや数字を書き込む(「導入費用: 月額10万円〜」など)
- 次回の商談候補日を複数提示する
チャットは、話している内容を補完する役割を果たし、顧客が後から見返すこともできるため、非常に有効です。
7. 商談の最後に次のアクションを明確化する
オンライン商談では、対面のような「次回訪問」という自然な接点がないため、商談の最後に必ず次のアクションを明確化します。
次のアクション設定の例:
- 「次回は〇月〇日に、△△の件で詳しくお話ししましょう。候補日をいくつかお送りします」
- 「今日お話しした導入事例の資料を、明日までにメールでお送りします」
- 「御社の〇〇部門の方にもご相談されたいとのことですので、次回はその方も交えて商談しましょう」
次のアクションを具体的に合意することで、商談が自然消滅するリスクを大幅に減らせます。
オンライン商談特有の技術的な注意点
オンライン商談では、技術的なトラブルが商談の流れを妨げることがあるため、事前対策が重要です。
カメラとマイクの設定
- カメラ位置: 目線の高さにカメラを設置し、相手と目が合っているように見せる
- 照明: 顔が明るく見えるよう、正面から照明を当てる(逆光は避ける)
- 背景: 清潔感のある背景、またはバーチャル背景を使用
- マイク: PCの内蔵マイクではなく、外付けマイクやヘッドセットを使うと音質が向上
接続環境の確保
- 有線LAN: 可能な限り有線LANを使用し、Wi-Fiの不安定さを回避
- 帯域幅: 他のアプリケーション(動画再生、大容量ファイルのダウンロードなど)を閉じ、帯域幅を確保
- 予備プラン: 接続が不安定な場合に備え、電話番号を交換しておき、最悪の場合は電話で続ける
トラブル発生時の対処
接続不良や音声トラブルが発生した場合は、無理に続けず、一旦中断して再接続します。
「申し訳ございません。接続が不安定なようですので、一度切って再接続させていただきます」と丁寧に伝え、顧客にストレスを与えないようにします。
商談録画による振り返りの効果
商談録画を振り返ることで、自分の話し方の癖やトークバランスを客観的に分析でき、継続的な改善が可能になります。
商談録画の3つのメリット
1. 自己分析による改善
自分の商談を録画で見返すことで、以下のような気づきが得られます。
- 思ったより自分が話しすぎている
- 顧客が興味を示した箇所と、興味が薄かった箇所が明確にわかる
- 口癖(「えーと」「あの」など)が多い
- 質問が浅く、顧客の課題を深掘りできていない
こうした気づきをもとに、次回の商談で改善することで、商談の質が継続的に向上します。
2. マネージャーによるコーチング
マネージャーが営業担当者の商談録画を見ることで、具体的なフィードバックができます。
「この場面で、顧客が『予算が厳しい』と言ったけど、『具体的にいくらくらいを想定されていますか?』と聞けば、もっと詳しい情報が得られたね」
抽象的な「もっと頑張れ」ではなく、具体的な改善点を示すことで、営業担当者の成長が加速します。
3. ベストプラクティスの共有
トップセールスの商談録画を全体会議で共有することで、成功パターンをチーム全体に展開できます。
「Aさんは、商談の最初に必ず『今日の商談で、どういう情報があれば御社にとって有益でしょうか?』と聞いて、顧客のニーズを確認している。これが成約率の高さにつながっているんだね」
成功パターンを「見える化」することで、他のメンバーも再現できるようになります。
商談録画ツールの選び方
商談録画ツールを選ぶ際は、以下のポイントを考慮します。
- 自動録画: 録画ボタンを押し忘れることなく、すべての商談を自動録画
- 文字起こし・要点抽出: 録画を見返す時間がなくても、テキストで内容を確認できる
- SFA連携: 商談内容を自動でSFAに反映し、入力工数を削減
- 商談品質分析: トークバランス、質問数、顧客の感情などを自動で分析
代表的なツールには、Gong、Chorus.ai、そしてITreview Leader 14期連続を獲得している「ailead」があります。
aileadは、400社以上の企業で導入され、商談内容を自動でSFAに反映することで、入力工数を90%削減しています。また、商談品質を自動分析する機能により、マネージャーは各担当者の課題を具体的に把握し、的確なコーチングができます。
オンライン商談の成功事例
あるSaaS企業の営業担当者Cさんは、オンライン商談のテクニックと録画活用により、成約率を20%から35%に向上させました。
取り組み前の課題
Cさんは、オンライン商談に移行してから、以下の課題を感じていました。
- 顧客の反応が読み取りにくく、興味があるのかわからない
- 自分の話し方に自信が持てない
- 商談後に「あれを聞けばよかった」と後悔することが多い
実践した施策
Cさんは、以下の施策を実践しました。
1. 商談録画の習慣化
すべての商談を録画し、週に2-3本を振り返る時間を作りました。
2. トークバランスの改善
録画を見返したところ、自分の発言時間が70%を超えており、顧客の話を引き出せていないことに気づきました。
そこで、商談の最初に「今日は、御社の現状をたくさん教えていただければと思います」と宣言し、意識的に質問を増やしました。
3. アイスブレイクの強化
冒頭の雑談が苦手だったCさんは、事前に顧客のSNSやプレスリリースを確認し、「御社の〇〇について拝見しました。反響はいかがですか?」と具体的な話題を用意するようにしました。
4. 視覚資料の準備
スライド資料に加えて、類似企業の導入事例動画を用意し、商談の中盤で見せるようにしました。動画を見せることで、顧客の興味が高まり、「うちでも同じ効果が出せそうか?」という質問が増えました。
結果
6ヶ月後、以下の成果が出ました。
- 成約率が20%→35%に向上
- 商談時間が平均50分→40分に短縮(無駄な説明が減った)
- 顧客から「話しやすい営業担当者だった」というフィードバックが増えた
Cさんは、「録画を見返すことで、自分の商談を客観的に評価でき、具体的に何を改善すればよいかが明確になった」と語っています。
オンライン商談と対面商談のハイブリッド戦略
今後は、オンライン商談と対面商談を使い分ける「ハイブリッド営業」が主流になると予測されます。
オンライン商談が適しているケース
- 初回の情報提供や製品紹介
- 定期的なフォローアップ
- 遠方の顧客との商談
- 複数の関係者が参加する商談(スケジュール調整が容易)
対面商談が適しているケース
- 最終的な契約締結
- 信頼関係の構築が重要な大型案件
- 工場や現場の視察が必要なケース
- 複雑な課題のヒアリングやディスカッション
例えば、初回〜中盤はオンラインで効率的に進め、最終商談は対面で信頼関係を固めて契約締結、というハイブリッドアプローチが効果的です。
まとめ
オンライン商談の成功率を高めるには、対面商談とは異なるテクニックと、商談録画による継続的な改善が重要です。
本記事で解説した以下のポイントを実践することで、オンライン商談の成果を大きく向上させることができます。
- 徹底した事前準備(アジェンダ送付、接続テスト)と冒頭のアイスブレイクで顧客の集中力を維持する
- 視覚資料を活用し、トークバランスは営業40:顧客60を目標に双方向のコミュニケーションを実現する
- 商談の最後に次のアクションを明確化し、商談の自然消滅を防ぐ
- 商談録画を振り返り、トークバランス・質問の質・顧客の反応を客観的に分析して改善する
aileadのような商談録画・分析ツールを活用することで、400社以上の企業がオンライン商談の質を高め、成約率向上を実現しています。



