営業組織の成果を高めるために「営業企画」と「営業計画」の2つを正しく理解することが重要です。
営業企画は「どんな戦略で戦うか」を設計する組織機能であり、営業計画は「いつ・何を・どのくらいやるか」を具体化した実行計画です。本記事では、営業企画の仕事内容・マーケティングとの違いに加え、営業計画の立て方・KPIツリー設計・四半期テンプレートまで体系的に解説します。
営業企画の仕事内容
営業企画の仕事内容は大きく「営業戦略の立案」と「営業職のサポート」の2つに分かれます。
営業企画は、営業戦略を練って営業職をバックアップしていくのが主な仕事です。
詳細に見ていくと、以下の2つの柱があります。
一つ目は、営業戦略を練ることです。商材の特性を考えたうえで、具体的な営業方法や対策を考えたり目標を設定したりします。
もう一つは営業をサポートすることです。目標を達成するためには、営業一人ひとりのモチベーションを高める必要があります。報酬の設定や営業の育成に必要なツールの作成なども営業企画が行う業務です。キャンペーンを企画して集中的に業績アップを図るなど、さまざまな策定を行う他、問題が起こったときの相談役なども担う場合があります。
営業企画とマーケティングとの違い
営業企画とマーケティングの違いは、営業企画が戦略立案と営業の育成・サポートを担うのに対し、マーケティングは市場調査や分析を担当する点です。
営業戦略の先にあるのが、マーケティングです。営業企画が立てた戦略の実現に向けて、市場調査をしたり分析を行ったりすることをマーケティングといいます。同業他社の動向を探ったり自社商材がどのような層にニーズが高いのか調べたりと、業務内容は多岐にわたります。
営業企画とマーケティングは密接な関係があり、連携して業務を行うことが重要です。企業の規模によっては、1人の社員が営業企画とマーケティングを兼ねることもあるでしょう。ただ、営業の育成をはじめとしたサポート部分については、切り離して考えていくのが理想的です。人員的に難しい場合は、営業をサポートできるようなツールの策定が必要になってきます。
営業企画に向いている人の特徴やスキル
営業企画には、自ら戦略を練る提案力があり、冷静な分析力で商材の強みと弱みを客観視できる人材が向いています。
営業企画に向いている人の特徴
営業企画には、率先してものごとを提案できる人が向いています。会社にとって重要な判断はさすがに経営陣など上層部の意見を仰ぐ必要がありますが、自分で黙々と戦略を練れるような人でなければ企画営業はできません。
常に冷静な目で社会全体を見ることができる人も、企画営業に向いている人の特徴です。考え方に偏りが見られたり新しい知識に乏しかったりすることなく、常にさまざまなことを吸収できる人も営業企画に向いています。
ここで誤解してはいけないのは、ポジティブな人が必ずしも営業企画に向いているわけではないということです。求められるのは鋭い分析力や自社商材を冷静に見ることができる人物です。商材の欠点も含めて見ることができなければ、適切な戦略を立てることはできないでしょう。
営業企画に必要なスキル
営業企画にまず求められるのは、企画力とコミュニケーションスキルです。自社商材の特徴に合った営業戦略を立て、その内容や目的・目標などを営業部門の社員に伝えていく能力が求められます。
営業企画は、特に資格などを持たずにできる仕事です。ただ、営業をサポートする役割も持っていますので、マネージメントの経験があったほうが好ましいといえます。また、実際の営業スキルも求められます。営業の現場についてまったく知識や経験がないと適切な戦略やサポートを考えることはできません。
営業企画が営業職を上手にバックアップする方法
営業企画が営業職をバックアップするポイントは、直接営業を行うのではなく、商談方法や販促ツールの策定で個々のスキルを伸ばすことです。
誤解しやすいサポート方法
まず行ってはいけないのは、営業企画部門の社員が直接営業を行うことです。あくまで営業企画の業務は営業の基礎となる戦略を立てることです。営業企画と混同しやすいものに「企画営業」があります。「企画営業」は企画を提案しながら商材を売ることであり、根本的な役割が違います。
営業企画として営業職をバックアップするには、一人ひとりの営業スキルをどのように伸ばしていくか考えることがポイントです。
ツールを活用すると各自の研修がスムーズになる
aileadであれば、成功した商談をフォルダに保存することで気軽に自己研修を可能にしてくれます。保存はクラウドを利用するため、場所に囚われることなく、営業が自身の判断で見たいときに学べるのが特徴的です。
また、チャット機能によって部下へのフィードバックやメンバー同士のコミュニケーションもとれ、モチベーションアップにつなげることもできます。
ここからは、営業企画が「計画」に落とし込む「営業計画の立て方」を解説します。
営業企画と営業計画の関係
営業企画が立てた戦略は、「営業計画」という形で具体化されます。
- 営業企画:「どのターゲットに・どんな方法で・どのリソースで戦うか」の設計
- 営業計画:「いつ・何を・どのくらいやるか」の数値・スケジュール化
営業企画なき営業計画は「精神論の目標設定」に終わりやすく、逆に営業計画なき営業企画は「絵に描いた餅」になります。両者を連動させることで、初めて組織的な営業活動が機能します。
営業計画の立て方:5ステップ
ステップ1:現状分析
前期の売上・受注率・商談数・客単価などの実績を整理します。営業分析では、何がうまくいったか・何がうまくいかなかったかを定量的に把握することが出発点です。
確認すべき指標:
- 売上実績(KGI達成率)
- 商談数・受注件数・受注率
- 顧客セグメント別の成約率
- 担当者別・チャネル別の成果比較
ステップ2:目標設定(KGI設計)
現状分析を踏まえ、期末の目標数値(KGI:Key Goal Indicator)を設定します。KGIは「〇期末までに売上〇億円」のように具体的な数値で設定します。
上層部から「前年比20%増」と指示された場合も、現状のリソース・市場環境から達成可能性を検討し、必要に応じて交渉することが営業企画の重要な役割です。
ステップ3:KPIツリー設計
KGIを達成するために必要なプロセス指標(KPI)を設計します。KPIツリーとは、KGIを分解してKPIを可視化した図です。
売上目標のKPIツリー例:
| KGI | KPI | アクション指標 |
|---|---|---|
| 年間売上 3億円 | 商談数 150件/月 | テレアポ 500件/月 |
| 成約率 30% | ロープレ実施 週2回 | |
| 客単価 200万円 | 上位顧客フォロー強化 |
KPIツリーを使うと「売上が足りない原因」が商談数不足なのか、成約率の問題なのか、客単価の問題なのかを切り分けて分析できます。
ステップ4:戦略・アクション策定
KPIを達成するための具体的な施策を設計します。
- ターゲット選定:どの業界・規模・役職にアプローチするか
- 営業チャネル:新規開拓(テレアポ・展示会)vs 既存深耕
- セールスコンテンツ:導入事例・比較資料・ROI計算ツール
- 人員配置・役割分担:各担当者の目標と役割
売上予測の精度を高める方法も参考に、ボトムアップ積み上げとトップダウン配分のバランスを取ります。
ステップ5:実行・予実管理・振り返り
計画を実行しながら、週次・月次で予実管理を行います。計画と実績の差異(予実差)を早期に発見し、対策を打つことが計画達成の鍵です。
着地見込み(フォーキャスト)の精度管理と組み合わせることで、期末の最終着地を精度高く予測し、早めに手を打てる体制を構築できます。
四半期営業計画テンプレート
以下のテンプレートをコピーしてご活用ください。
四半期営業計画シート(基本フォーマット)
基本情報
- 対象期間:20XX年 Q○(XX月〜XX月)
- 担当部門:
- 作成日:
- 承認者:
目標設定
| 指標 | 目標値 | 前期実績 | 達成率目標 |
|---|---|---|---|
| 売上(KGI) | 100% | ||
| 新規商談数 | |||
| 成約件数 | |||
| 成約率 | |||
| 客単価 |
月次アクションプラン
| 月 | 重点施策 | KPI目標 | 担当者 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | |||
| 2ヶ月目 | |||
| 3ヶ月目 |
振り返り記録
- 達成した施策・要因:
- 未達の施策・要因:
- 次期への改善アクション:
予実管理との連動方法
営業計画は立てて終わりではなく、実行しながら継続的に修正することが重要です。
週次・月次の予実管理では以下を確認します:
- KPIの進捗率(今月の商談数 ÷ 目標商談数)
- 差異の原因分析(なぜ計画を上回った/下回ったか)
- アクション修正(残期間で目標を達成するために何を変えるか)
SFAツールを活用すれば、予実データをリアルタイムで可視化できます。SFAに商談情報・案件フェーズ・受注確度を登録することで、フォーキャストの精度が大幅に向上します。
AIを活用した営業計画の高度化
AIによる対話データ分析は、営業計画の精度を高める新しいアプローチです。
aileadは対話データを構造化・分析し、営業活動の成果を最大化する対話データAIプラットフォームです。Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsの商談データをAIが自動で構造化し、Salesforce連携(カスタムオブジェクト対応)でSFAに自動保存します。
営業計画への活用例:
- 商談データから成約・失注の傾向を分析し、次期計画の受注率仮説を精緻化
- 担当者別のヒアリング品質を評価し、育成計画に反映
- 成功商談のトークパターンを抽出し、新人向けの標準商談フローを設計
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ailead編集部
株式会社ailead
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