aileadailead - エンタープライズAIエージェント基盤
株式会社エルテス

株式会社エルテス

IT・SaaS500〜999名

コスト半減、期間はたった4ヶ月。エルテスが選んだ営業データ基盤の作り方

コスト半減、期間はたった4ヶ月。エルテスが選んだ営業データ基盤の作り方

導入の目的

  • 固定費化・ブラックボックス化していた営業データ環境の抜本的な立て直し
  • ツール単体の入れ替えではなく、データ基盤の整備ごと任せられるパートナーの選定

導入前の課題

  • 大手SFAを中心に多数のSaaSが積み重なり、運用コストが年々上昇していた
  • コストの責任所在が不明瞭なまま膨らみ続ける構造的な問題があった
  • SFAを本質的に理解している担当者が社内におらず、変更の是非を判断できなかった

導入後の効果

  • 営業データ環境の関連コストを2分の1に削減
  • BigQueryを中心にデータを一元化し、新しい切り口でのレポーティング・分析が可能に
  • AIエージェントによる自動化の下地が整い、対話データとの統合活用に着手
  • 営業データ環境の関連コストを2分の1に削減
  • 実質4ヶ月という短期間でSFA移管を完了
  • BigQueryにデータを一元化し、基盤とインターフェース(AppSheet)を分離する設計を採用
  • AIエージェントによる自動化と対話データ統合の下地を整備
活用機能:
  • 対話データAIプラットフォーム「ailead」導入に向けたデータ基盤整備
  • BigQueryを中心としたデータ統合基盤の構築
  • AppSheetによるインターフェース刷新

SNSをはじめとするオープンデータや、組織内部のログデータから企業のリスクを検知・対策するデジタルリスクマネジメント事業を展開する株式会社エルテス(東証グロース・証券コード3967)は、近年はAIガバナンス領域にも事業を拡大しています。

そんな同社の営業データ環境は、大手SFAを中心に多数のSaaSが積み重なり、固定費化していました。円安や値上げの影響でコストは毎年上がり続ける一方で、誰もそれを止めることができず、責任を持つ人もいない状態でした。

このような状況下で、プロジェクトを始動し、実質4ヶ月という短期間でSFAを移管、BigQuery(Googleが提供するデータ分析サービス)を基盤に据えたデータ環境へと刷新しました。結果として、関連コストは2分の1に削減することに成功し、以降アカウント追加による費用増加を抑える仕組みへと切り替わりました。本取り組みは、単なるツールの入れ替えではなく、営業オペレーションの見直しから、データ基盤の構築まで、株式会社aileadが伴走しました。

なぜツール単体ではなく、データ基盤の整備ごとailead社に任せたのか、どのように意思決定し、現場を動かしたのか。経営の立場から社長の菅原様、プロジェクトリーダーとして主導した赤田様、そして事業側の視点から後藤田様にお話を伺いました。

経営・現場・事業。3つの視点が集まったプロジェクトチーム

自己紹介をお願いします。

菅原様: エルテスの代表取締役社長を務めています。当社はSNSをはじめとするオープンデータや、組織内部のログデータから企業のリスクを検知・対策するデジタルセキュリティ事業を展開しており、近年はAIガバナンス領域にも事業を広げています。

赤田様: 私はもともと情報システムグループで、大手SFAなどの社内システムの管理を担当していました。今回のプロジェクトでは、その経験を踏まえてプロジェクトマネジャーを務めています。私のミッションは、社内システムの変革であり、メインはSFA/CRMのシステム、それに紐づく債権管理ツールやワークフローツールも見ていました。あわせて、AI推進に向けて社内のAIガバナンス規定・ルールの策定にも取り組んでいます。

後藤田様: SR事業本部の責任者をしています。SRはソーシャルリスクの略で、SNSを中心としたオープンデータから、お客様のリスクを検知したり、検知後の対策のソリューションを提供したりしています。あわせて、新しく始めたAIガバナンス事業の責任者も兼務しています。

ツールのコストがどんどん膨らみ固定費化していた

まず、着手前の課題からお聞かせください。営業データやツールの運用で、どのような状態だったのでしょうか。

菅原様: 社内ツールというのは、放っておくと固定費化してしまうんです。そして固定費化すると、ことが当たり前になり、いずれ誰も責任を持たなくなります。事業部も自分ごととして責任を持たないし、共通費としてまとめて引き落とされていくので、コストがどんどん膨らんでいってしまいます。

しかも、円安や値上げの影響で、こうしたツールのコストは毎年のように上がり続けます。それを誰も止められず、責任を持つ人もいない状態でした。私自身、この状況をどうにかして変えたいと考えていて、ailead社にお願いしたのが出発点になっています。

現場の担当者目線では、ツールのコストは課題として上がりにくかったのでしょうか。

菅原様: そうですね。PL(損益計算書)全体を見ている立場だからこそ気になるのであって、日々の業務からは見えにくい部分だと思います。

情報システムの目線では、いかがでしたか。

赤田様: 大手SFAは10年以上使っていて、過去にはシステムの移行がうまくいかず、データが壊れてしまった経験もあったようです。文字コードの問題で文字化けが起きたり、レコードが壊れたりして、一時的に営業が止まってしまったこともありました。社内では、それがトラウマになっていた部分もあります。だからこそ、今回のシステム移行がきちんと着地できたことには意味があったと感じています。

もう一つ大きかったのは、SFAを本質的に理解している人が社内にいなかったことです。入力規則やフローは整備されていたので、抜け漏れなくデータを入力すること自体はできていました。ただ、なぜこのデータを入れているのか、この項目は何のために使うのかを説明できる人がいませんでした。

他社SaaSの限界と、AIネイティブな基盤への転換

10年以上使ってきた環境を、なぜこのタイミングで見直そうと思われたのですか。

菅原様: 以前から、いくつもの他社SaaSが乗ったプラットフォームの状態が、単純に使いづらいと感じていました。まずはそこを使いやすくしよう、というのが一番大きいです。

そうしたタイミングで、AIエージェントで業務を自動化しようと実際に手を動かしてみたことをきっかけに、はっきり分かったことがあります。他社のサービスをまたぐと、そのたびに認証を求められたり、いちいち操作をしなければならなかったりします。自動化に近づけようとするほど、この摩擦が効いてくるんです。

その点、自前でGoogle Workspace(Googleのビジネス向けクラウドサービス)やGCP(Google Cloud Platform、Googleのクラウド基盤)の中に環境をつくれば、摩擦が起こりづらくなります。だからこそ、できる限り自前の基盤に寄せていくのがいい。今は、すべてそういう作りにしています。ただし、何でも手放しすぎると怖い、という感覚もあります。効率化と安全性のバランスを取りながら、AIに任せる範囲を少しずつ広げているのが現状です。

ゼロベースで作る提案は、ailead社だけだった

内製、他ツールへの乗り換え、現状維持など、どのような選択肢を比較して意思決定されたのでしょうか。

赤田様: 課題の解決方法は、いくつも考えられました。フルスクラッチで内製する道もあれば、別のツールに乗り換える道もあります。

いくつかの企業に相談したところ、既存のツールをそのまま使うか、いくつかのツールを組み合わせるという提案がほとんどでした。ゼロから作り直すという発想は、なかなか出てきませんでした。

そんな中、ailead社に提案いただいたのが、データ基盤とインターフェースを切り離すという設計でした。データ基盤にはBigQueryを採用しており、最終的にインターフェースにはAppSheet(Googleが提供するノーコード開発プラットフォーム)を採用することにしました。

基盤さえしっかりしていれば、インターフェースは簡単に作り変えることができます。決め手になったのは、この柔軟性でした。AppSheetを選んだのも、後からいつでも他のツールに切り替えられる前提があったからです。

経営者として、この判断をどう見ていましたか。

菅原様: 移行を検討したとき、私自身もいくつか候補となるツールを触ってみましたが、どれも使いづらく感じました。それなら、シンプルなAppSheetでいいのではないか、と考えました。今になって考えると、さらにそれを飛び越えて、Claude Code(Anthropicが提供する、AIエージェントとして動作するコーディング支援ツール)がいいのではないか、という感覚にもなっています。保守の面でも、そのほうが楽になるかもしれない。ただ、これは半年、1年前には見えていなかったことです。

大企業ほど検討に時間がかかるので、1年前に決めたツールのまま身動きが取れなくなっているケースも少なくありません。だからこそ、基盤とインターフェースを分けて考え、後からインターフェースだけを載せ替えられるようにしておくことには、大きな意味があると感じています。

営業に強く、営業活動のデータまで見てくれる

ailead社に任せようと決めた一番の理由は何でしたか。

赤田様: お声がけした他の企業は、どちらかというとシステム開発や営業管理ツールが中心で、さまざまなSFAツールの移行実績があるという会社が多かったんです。ただ、それはあくまでSFAツールに詳しい、という話でした。

ailead社は、商談や営業そのものへの理解が深いだけでなく、そこで生まれた営業データをその後どう保存し、どう活用できる状態にするかというまで対応してくれます。データの価値がますます高まっていく中で、営業に強い会社でありながら、そこから流れるデータの扱いまで任せられる会社は他に存在しなかったことが、私たちにとって最大の決め手でした。

システム移行のスピード感も重視されたと伺いました。

菅原様: そうですね。コスト以上にスピードを重視していました。当社は2月決算なので、2月の中頃までに結果を出せそうだ、というところが大きかったです。

4ヶ月で新環境へ。スピード重視の進め方と現場の合意形成

プロジェクトはどのような体制・期間で進みましたか。

赤田様: 体制としては、アドバイザーとして社長の菅原、プロジェクトマネジャーとして私が入りました。それ以外に専任のプロジェクトメンバーは置いていません。この短期間でやろうとすると、メンバーを増やすほど各部門の要望が入り込んで進めづらくなるので、あえて絞って進めた形です。必要な場面では、経理をはじめ関係部門と認識を合わせながら進めました。

期間はかなり短く、実際に動き出したのが10月から11月頃で、3月1日から新環境を稼働させるというスケジュールでした。実質4ヶ月ほどしかなく、現場からは、そのスピードでは無理だろうという声も出ていました。

現場の合意形成では、どんな難しさがありましたか。

赤田様: 一番の難所は、そもそも使っていたSFAツールを本質的に理解している人が社内にいなかったことです。これまでの環境は、10年以上にわたっていろいろな人が作り込んできたので、全体像を把握している人がいません。

何かを変えようとしても、何がどう変わるんですか?という会話が始まってしまい、説明しようにも、様々な設定が絡み合い、仕組みが複雑なので説明しづらいんです。

ですのでというコミュニケーションを、ほぼすべての場面でしていきました。関係各所に伝えたのは、インターフェースが変わるだけで、内部統制上必要なところは必ず網羅する、そこは担保する、ということです。

そのうえで、今のデータが本当に正しく入力できているのか、本当に必要なデータなのかを一度問い直してもらうという進め方で、社内のメンバーと共に取り組みました。

ailead社との協働は、どのような関係性でしたか。

赤田様: 私の感覚としては、ailead社の方はです。契約上は業務委託ですが、社内にもう一人メンバーを抱えているような感覚でした。気兼ねなく相談させていただけたので、そう感じることができたのだと思います。SFAにも詳しくと、共通言語で認識を揃えることができたので、プロジェクトを推進しやすかったです。

後藤田様: そういう雰囲気を作っていただいたことで、社内から上がってくる不安の声のようなものも、間に入ってフィルタリングしていただけていたのだと思います。見えていないところで、いろいろと動いてくださっていたことが、やりやすさにつながっていました。

コストは半減、そしてデータが繋がる環境へ

着手前と現在で、最も大きく変わったことは何ですか。まずコスト面から教えてください。

赤田様: コスト面では、システム移行前と比較して少なくとも2分の1は削減できています(※商談管理ツールとしてのライセンス費用及び開発/保守費用含む)。ツール費用そのものだけでなく、従来のツールの値上げを回避できたことも大きいです。

また、大手SFAが実質的にデータのハブになっていたので、他のツールをリプレイスしようとすると、必ず大手SFA側への連携コストが発生する構造でした。その連携コストまで含めて考えると、実質的には2分の1以上のインパクトがあったと考えています。

現在は、もともとのワークスペースがGoogleだったこともあり、基本的なプランの範囲でできています。BigQueryも、なるべくクエリを多用しない設計にしているので、ほとんど費用が発生していません。

今後、従業員の増加によりアカウントが増えていっても、そこが課金対象として膨らんでいかないという点でも、かなり大きなコストカットになったと感じています。

コスト以外の成果はいかがですか。

赤田様: リプレイスにあたってデータの持ち方を見直したので、他のツールやシステムと繋ぎやすくなりました。見たいデータを、というのが、容易に出せるようになっています。以前はダッシュボードやレポートを作るのも大変でしたが、今は新しい切り口で見たり、分析したりできるようになりました。

さらに、自社の他のツールや自社開発ツールのデータと掛け合わせてAIエージェントが分析できる状態になったことも大きいです。まだ大掛かりな分析までは進めていませんが、できる下地が十分に整った、という状況です。

対話データ×営業データ、そしてエルテスの本質的な価値をお客様に還元

対話データAIプラットフォームの対話データ活用も含め、今後どのように広げていきたいとお考えですか。

後藤田様: まずやっていきたいのは、ハイパフォーマーの型化と横展開です。あわせて、失注の要因なども分析しやすくなるので、そこを進めていきたいと考えています。

これまで営業側が手入力していた部分も、対話データAIプラットフォームを入れることで、いきなりゼロにはならないにせよ、ほぼゼロに近い形で自動転記できるようになると考えています。

そこから、効率的なマネジメント体制をつくっていきたいですね。さらに営業以外の領域、たとえば開発やプロダクトへのフィードバック、マーケティングのメッセージ最適化まで届けられるといいなと考えています。

今回は営業とコーポレートが中心でした。今後、他部門・他業務への展開はいかがですか。

後藤田様: SFAがデータの箱としてあって、その周りにさまざまなツールが紐づいています。今後は、会計や経理側のツールも、リプレイスの対象として検討しています。

今回の取り組みによって、新しいSaaSを導入する場合でも、元データを自社のプラットフォーム上で自由に作り変えられる状態になったので、以前より容易に導入できるようになりました。これをきっかけに、これまでなかなかリプレイスできなかったツールの見直しも進めていきたいと考えています。

見直しの観点は、コストだけではありません。そのデータを使って何をするのかが重要です。というだけで使い続けているツールも社内には存在します。本当に必要なデータは何で、それを会社としてどう活用できるのかを、もう一度考え直していきたいと思っています。

私たちエルテスは2011年にサービスの提供を開始して以来、蓄積してきたデータを十分に活かしきれていなかった面もあります。お客様に提供してきたノウハウを、AIネイティブになった環境で改めて分析し直し、エルテスの本質的な価値を可視化したいと考えています。まずは自分たちの中で試行錯誤してみて、その経験をお客様に還元していきたいですね。

当社の事業領域はガバナンスやリスク対策なので、お客様がAI基盤へ移行していく際に、ガバナンス面をどうすべきか、自社の実体験があるからこそ支援できる部分があると考えています。

AIエージェントを本格的に動かすうえで、気をつけている点はありますか。

後藤田様: MCP(Model Context Protocol、AIエージェントが外部のデータやツールに接続するための標準規格)で繋げば、すぐにBigQueryにアクセスできる状態になっています。また、権限の設計についても、データのセキュリティは私たちの得意領域でもあるので、そこは両立させたいです。できるようになったからといってAIエージェントを噛ませすぎるとデータを壊しかねないので、サンドボックス環境をしっかり作ったうえでエージェントを動かしています。

経営者様・情報システム担当者様へのメッセージ

最後に、同じようにツールコストやデータ活用に悩む企業の方へメッセージをお願いします。

後藤田様: やはり、経営、とりわけ社長を巻き込んでプロジェクトを進めることが、成功の鍵になると思います。情報システムの担当者が旗を振るだけでは、どこかで詰まってしまいます。トップがコミットして進めるかどうかで、進み方が大きく変わります。

赤田様: 情報システム部門は、ツールを管理してはいるものの、それが現場で実際にどう使われているのかが見えづらい立場にあります。使っているのは事業部や管理部門なので、情シス単体で判断しようとしても、利用者からストップがかかったり要望が出たりして、進めづらくなることがあります。

だからこそ、経営層を巻き込むことが一つです。そして、少し面倒でも、自分自身で現場での使われ方を理解することが大事だと思います。それが、利用者との衝突を避けることにもつながりますし、本当に必要かを自分の中で判断する軸にもなります。

そのうえで、ツールの棚卸しをする前に、まず業務の棚卸しから始めるのが一番スムーズです。この業務にいくらかかっているのかを、業務レベルまで踏み込んで把握する。実際にやってみると、内部統制上のキーコントロールになっているけれど、別のところで担保できているから実は要らない、という発見や、この業務はAIやRPA(Robotic Process Automation、定型業務をソフトウェアで自動化する仕組み)に任せられるのでは、という気づきが数多く出てきました。ツールの見直しだけでは見えなかった部分です。

私は、たまたま営業やカスタマーサクセス、経営企画、財務も経験していたので、事業部門・管理部門の両側面の知識があり、全体を知ることができました。ただ、複数の部門を経験している人はそう多くありません。だからこそ、まず知るというところが重要だと考えています。

株式会社エルテスについて

SNSをはじめとするオープンデータや組織内部のログデータから企業のリスクを検知・対策するデジタルリスクマネジメント事業を展開。東証グロース上場(証券コード3967)。近年はAIガバナンス領域にも事業を拡大している。

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