Zoom会議が日常業務の中心となった今、「文字起こしをもっと効率化したい」「議事録作成の負担を減らしたい」と感じている方は多いのではないでしょうか。
Zoomには標準の文字起こし機能が搭載されていますが、日本語での精度や議事録としての使い勝手には限界があります。一方、外部のAIツールを活用すれば、高精度な文字起こしだけでなく、アクションアイテムの自動抽出やCRM連携まで実現できます。
この記事では、Zoomの文字起こし方法を「標準機能」と「外部ツール」の両面から徹底比較し、目的に応じた使い分けのポイントを解説します。
Zoom標準の文字起こし機能とは
Zoomには、会議中の音声をリアルタイムでテキスト化する機能が搭載されています。大きく分けて「字幕(サブタイトル)機能」と「フルトランスクリプト機能」の2種類があります。
字幕(サブタイトル)機能
字幕機能は、会議中にリアルタイムで発言内容を画面下部に表示する機能です。無料プランを含むすべてのZoomプランで利用可能です。
設定手順は以下のとおりです。
- Zoomウェブポータル(zoom.us)にサインイン
- 「設定」→「ミーティング」→「ミーティング内(詳細)」に移動
- 「自動字幕」をオンにする
- 会議中に画面下部のツールバーから「CC(字幕)」ボタンをクリック
- 字幕の言語を「Japanese」に設定
字幕機能の注意点として、会議後にテキストデータとして保存する機能は有料プラン(Pro以上)が必要です。無料プランでは会議中のリアルタイム表示のみ利用できます。
フルトランスクリプト機能
フルトランスクリプト機能は、会議の全発言をタイムスタンプ付きで記録し、会議後にダウンロードできる機能です。Pro以上の有料プランで利用可能です。
設定手順は以下のとおりです。
- Zoomウェブポータルで「設定」→「録画」に移動
- 「クラウド録画」をオンにする
- 「詳細クラウド録画設定」で「音声トランスクリプト」にチェックを入れる
- 会議を録画(クラウド録画)すると、自動的にトランスクリプトが生成される
- 録画一覧からVTT形式でダウンロード可能
フルトランスクリプトは話者ごとの発言が分かれて記録されるため、議事録の素材としてそのまま活用できます。ただし、日本語の認識精度は英語と比較すると低く、専門用語や固有名詞の誤認識が発生しやすい点に注意が必要です。
Zoom AI Companionの活用方法
2024年以降、Zoomは「AI Companion」というAIアシスタント機能を提供しています。有料プラン(Pro以上)のユーザーに追加料金なしで提供され、会議の要約やアクションアイテムの抽出を自動化します。
AI Companionの主な機能
AI Companionは以下の機能を備えています。
会議の自動要約では、会議終了後に主要な論点と決定事項をまとめた要約を自動生成します。参加できなかったメンバーへの共有に便利です。
アクションアイテムの抽出では、会議中に発生したタスクや担当者を自動で識別し、リスト化します。ただし、日本語での抽出精度は英語と比べると改善の余地があります。
リアルタイムの質問応答では、会議中に「今までの議論をまとめて」といった質問をAI Companionに投げることで、その時点までの要約を表示します。途中参加のメンバーが議論のキャッチアップに活用できます。
AI Companionの設定手順
- Zoomウェブポータルで「設定」→「AI Companion」に移動
- 「ミーティングの要約」をオンにする
- 会議中にツールバーの「AI Companion」ボタンをクリック
- 「要約を開始」を選択
- 会議終了後、ホストにメールで要約が送付される
AI Companionの日本語対応状況
AI Companionは日本語での利用に対応していますが、2026年3月時点では以下の制約があります。
要約の品質は英語と比較すると簡潔になる傾向があり、専門的な議論の細かいニュアンスが失われることがあります。アクションアイテムの抽出は日本語の曖昧な表現(「検討します」「対応します」など)を正確に識別できないケースがあります。また、話者識別はZoomアカウントと紐づいた参加者のみ正確に動作し、電話参加者やゲスト参加者の識別精度は低下します。
外部AIツールによる文字起こしの特徴
Zoomの標準機能だけでは対応しきれないケースでは、外部のAIツールを活用する方法が効果的です。特に日本語の精度や業務システムとの連携を重視する場合、外部ツールの導入を検討する価値があります。
外部ツールが標準機能に勝るポイント
日本語のリアルタイム文字起こし精度では、外部の専用ツールが優位です。Zoomの標準機能は英語を中心に最適化されているため、日本語の認識精度には限界があります。外部ツールの中には約94%の日本語精度を実現しているものもあり、議事録としてそのまま使えるレベルの出力が得られます。
話者分離(スピーカーダイアリゼーション)の精度も外部ツールが優位です。「誰が何を言ったか」を正確に識別することで、議事録の可読性が大きく向上します。
さらに、SFA/CRM連携に対応した外部ツールでは、会議の内容を自動的にSalesforceなどの営業管理システムに反映できます。手動でのデータ入力を削減し、営業担当者がコア業務に集中できる環境を構築できます。
外部ツールの導入パターン
外部AIツールの導入には、主に3つのパターンがあります。
第一に、Zoomのボット参加型です。Zoomの会議に専用ボットが参加し、音声を取得してリアルタイムで文字起こしを行います。参加者側の追加操作が不要で導入しやすいのが特徴です。
第二に、ブラウザ拡張型です。Chromeなどのブラウザ拡張機能としてインストールし、Zoomのウェブクライアント利用時に文字起こしを行います。手軽に始められる一方、デスクトップアプリには対応しない場合があります。
第三に、録画ファイルアップロード型です。Zoomの録画データ(MP4やM4A)をアップロードして文字起こしを行います。リアルタイムではありませんが、過去の会議データの活用に適しています。
Zoom標準機能と外部ツールの比較
ここでは、Zoom標準機能と外部AIツールの違いを主要な評価軸で整理します。
文字起こし精度
Zoom標準機能の日本語精度は、一般的なビジネス会話で70〜80%程度です。専門用語や固有名詞が多い場面では精度が低下する傾向があります。AI Companionによる要約はある程度の誤認識を吸収しますが、原文の文字起こし精度は基本的に変わりません。
外部AIツールの中には、日本語で約94%の精度を実現しているものがあります。独自の音声認識エンジンや業界特化の辞書機能を持つツールでは、専門用語の認識精度も高くなります。
対応範囲
Zoom標準機能はZoom会議のみに対応しています。TeamsやGoogle Meetなど他のWeb会議ツールとは連携できません。複数のWeb会議ツールを使い分けている企業では、ツールごとに異なるワークフローが必要になります。
外部AIツールの多くは、Zoom、Teams、Google Meetのすべてに対応しています。どのプラットフォームで会議を行っても同じ品質の文字起こしと議事録作成が可能です。
議事録としての完成度
Zoom標準機能のフルトランスクリプトは、発言をそのまま書き起こしたものであり、議事録としてそのまま使うには加工が必要です。AI Companionの要約機能を使えば概要は把握できますが、詳細な議事録としては不十分な場合があります。
外部AIツールでは、文字起こしに加えて要約、アクションアイテムの抽出、決定事項の整理まで自動で行えるものがあります。会議後すぐに共有可能な議事録が完成するため、後工程の作業を大幅に削減できます。
セキュリティとデータ管理
Zoom標準機能では、文字起こしデータはZoomのクラウド上に保存されます。データの保存先はZoomのサーバーポリシーに準拠します。
外部AIツールを選ぶ際は、データの保存場所とセキュリティ認証を確認することが重要です。ISO/IEC 27001:2022を取得しているツールや、日本国内のデータセンターでデータを管理しているツールを選ぶことで、情報セキュリティリスクを低減できます。
目的別の使い分けガイド
Zoomの文字起こし方法は、利用目的に応じて選択することが重要です。
社内の簡易的な打ち合わせ
定例ミーティングや進捗確認など、詳細な議事録が不要な場面ではZoom標準の字幕機能とAI Companionの要約で十分です。追加コストをかけずに会議内容を振り返る手段として活用できます。
顧客との商談や重要な会議
営業商談や経営会議など、正確な記録が求められる場面では外部AIツールの活用が適しています。高精度な文字起こしに加えて、商談の話す/聞くの比率分析やキーワード検出など、会議の質を向上させるための分析機能も活用できます。
複数のWeb会議ツールを利用している場合
ZoomとTeams、Google Meetを併用している組織では、外部AIツールの導入が効率的です。ツールに依存しない統一的なワークフローを構築でき、すべての会議データを一元管理できます。
CRM/SFAとの連携が必要な場合
営業チームがSalesforceなどのCRM/SFAを利用している場合、会議データをCRMに自動反映できる外部ツールが有効です。SFA入力工数の削減と商談情報の正確性向上を同時に実現できます。導入企業の実績では、SFA入力工数を90%削減した事例もあります。
Zoom文字起こし活用のベストプラクティス
Zoomの文字起こし機能(標準・外部問わず)を最大限に活用するためのポイントを紹介します。
会議前の準備
会議のアジェンダを事前に共有し、議論の枠組みを明確にしておくことで、文字起こしの活用価値が高まります。「何を決めるか」「何を確認するか」が明確な会議は、AIによる要約やアクションアイテム抽出の精度も向上します。会議のファシリテーションの質が、そのまま文字起こしの活用度に直結します。
参加者には事前に文字起こしの実施を告知しましょう。録画・文字起こしに対する参加者の同意を得ることは、コンプライアンスの観点からも重要です。
会議中のポイント
発言時はマイクに向かってはっきりと話すことで認識精度が向上します。複数人が同時に発言すると精度が著しく低下するため、発言の順番を守ることが重要です。
重要な決定事項やアクションアイテムは、発言者が「決定事項として確認します」「次のアクションは○○です」と明示的に発言することで、AIによる自動抽出の精度が向上します。
会議後の活用
文字起こしデータをそのまま共有するのではなく、要約とアクションアイテムを整理してから展開しましょう。会議に参加できなかったメンバーも短時間で内容を把握できます。
文字起こしデータを蓄積し、検索可能な状態で管理することで、過去の議論や決定事項を簡単に振り返れるナレッジベースとして活用できます。「以前のプロジェクトでどのような議論があったか」「顧客が過去にどのような要望を伝えたか」をすぐに検索できる環境は、業務効率を大きく向上させます。
まとめ
Zoom会議の文字起こしには、標準機能(字幕、フルトランスクリプト、AI Companion)と外部AIツールの選択肢があります。
標準機能は追加コストなく手軽に始められる一方、日本語の精度や議事録としての完成度には限界があります。外部AIツールは高精度な日本語対応、複数プラットフォーム対応、CRM連携など、より包括的な業務効率化を実現します。
社内の簡易的な打ち合わせにはZoom標準機能を活用し、顧客との商談や重要会議には外部AIツールを導入するという使い分けが、コストと効果のバランスに優れた選択です。
aileadは、Zoom、Teams、Google Meetに対応した対話データAIプラットフォームです。約94%の日本語文字起こし精度、自動話者分離、Salesforce連携(カスタムオブジェクト対応)を備え、400社以上の企業に導入されています。ISMS(ISO/IEC 27001:2022)認証を取得し、データは日本国内データセンターで管理しています。
Zoomの文字起こしを議事録作成だけでなく、商談データの分析や営業組織の強化に活かしたい方は、ぜひaileadの無料デモをお試しください。



