テナント分離(Tenant Isolation)とは
テナント分離とは、SaaSなどのマルチテナント環境で、複数の顧客企業(テナント)が互いのデータに参照・アクセスできないよう分離する設計を指します。1つのシステム基盤を複数の組織で共有しても、ある組織の利用者が別組織のデータに到達できない状態を保つことが目的です。
なぜテナント分離が重要なのか
会議・商談データのように個人情報と業務機密が混在するデータでは、テナント境界を越えたアクセスが起きた瞬間に被害が広範囲に及びます。分離が不十分だと、認証済みの利用者が本来アクセス権のない他組織のデータを閲覧できる状態が生まれます。
2026年には、ある会議AIサービスでテナント分離が欠落し、18万件を超える会議データが他組織から閲覧可能になった事案が報じられました。詳しくは会議AIのセキュリティ|情シスが確認すべき選定基準で解説しています。
主な実装方式
- 論理分離: 同一データベース内で、テナントIDによりアクセス範囲を制御する方式。
- 物理分離: テナントごとにデータベースやスキーマを分ける方式。
- アクセス制御との組み合わせ: 認証・認可(RBAC等)と併せて、各リクエストがテナント境界を越えないことを保証する。
いずれの方式でも、アプリケーション層とデータ層の双方で境界を検証することが重要です。
データレジデンシーとの関係
テナント分離が「誰がアクセスできるか」の境界であるのに対し、データレジデンシーは「データがどこに保存・処理されるか」の要件です。両者はエンタープライズのデータ保護で並んで確認すべき観点になります。
aileadのテナント分離
aileadは、マルチテナント環境におけるテナント分離を外部サービスに依存せず自社で設計・実装しています。対話データは国内データセンターで保管し、ISO/IEC 27001:2022を取得しています。