目次
営業同行(同行)とは、新人・若手の営業担当者と先輩・上司がペアで商談に臨む教育手法です。単に「一緒に訪問する」だけでなく、事前準備から当日の振る舞い、事後のレポート作成まで含めた一連の営業育成プロセスを指します。
この記事では営業同行の目的・種類・新人マナー5選に加え、同行レポートのテンプレートとオンライン商談での活用法まで実践的にまとめました。
営業同行(同行)とは
営業同行とは、新人・若手の営業担当者と先輩・上司がペアになり、商談に臨むことです。新人社員の営業研修が終わった後や商談の重要な局面で実施されます。
営業同行の効果を最大限に引き出すには、目的を明確にしたうえで、事前準備・当日のマナー・事後のフィードバックを一貫して行うことが大切です。
営業同行の2つの目的
目的1: 新人・若手営業担当者の教育
入社して間もない新人や、経験の浅い若手営業担当者を一人で顧客先に向かわせるのは不安が残ります。研修で営業の基礎を学んだとしても、実際の商談で顧客に対して的確にコミュニケーションが取れるかは別の話です。
多くの企業では一人前の営業担当者として活躍できるまで、営業同行を繰り返します。顧客ごとに異なる課題や反応への対応力は、実際の商談の場でしか養えません。言葉遣い、立ち振る舞い、提案方法、資料の使い方など、先輩社員から学ぶべきことは数多くあります。
目的2: 案件をより早く進める
営業同行は新人教育だけでなく、案件を早く進めることを目的として行われることもあります。見込みが立っている商談に先輩や上司、社長が同席し、担当営業のクロージングをサポートする形です。
前もって顧客に「上司を同席させます」と伝えておくと、顧客側のキーマンを商談の場に引き出しやすくなります。決裁者同士のコミュニケーションにより、スピーディーかつ大きな成果を得やすい状況を作れます。
営業同行の種類と使い分け
| 種類 | 目的 | 参加者の役割 | 実施タイミング |
|---|---|---|---|
| 教育同行 | 新人の実地トレーニング | 上司がメイン。新人はオブザーバー+補助 | 入社直後〜独り立ちまで |
| クロージング同行 | 案件の推進・受注 | 担当者がメイン。上司がサポート・クロージング | 商談終盤・大型案件 |
| 引き継ぎ同行 | 担当変更時の信頼移転 | 前任者がメイン。新任者を紹介 | 担当者変更時 |
| 課題解決同行 | 停滞案件の打開 | 専門部門の担当者が技術説明を担当 | 案件停滞時 |
種類に応じて事前準備の内容と役割分担が変わります。「何のための同行なのか」を出発前に上司と新人で明確にしておくことが成功の前提条件です。
営業同行で新人が押さえるマナー5選
1. きちんと挨拶をする
営業同行でお客様のもとを訪問する際、しっかりと挨拶ができることは最低限のマナーです。「新人だから」という態度は避け、社会人としての自覚を持って臨みましょう。名前・所属を明確に伝え、はっきりとした声で挨拶します。
2. メモを積極的に取る
商談の場では上司の話法、顧客の反応、議論のポイントなど学ぶべきことが多くあります。あとで振り返られるよう、こまめにメモを取りましょう。特に「上司がどのタイミングで何を話したか」「顧客の表情が変わった瞬間」など、研修では学べない実践的な気づきを記録することが成長につながります。
3. 名刺交換の作法を身につける
名刺交換は商談の第一印象を決めます。相手の名刺は両手で丁寧に受け取り、商談中はテーブルの上に並べておきます。複数名との名刺交換の順番(役職が高い方から)も覚えておきましょう。
4. 席順を意識する
訪問先での席順には暗黙のルールがあります。入口に近い席が下座、奥が上座です。基本的に新人は下座に着席します。上司が顧客の正面、新人がその隣に座るのが一般的な配置です。
5. 商談の感想を必ず伝える
営業同行が終わったら、上司に商談の感想を伝えましょう。「何が勉強になったか」「何が分からなかったか」を言語化することで理解が深まります。上司も今後の指導方針を立てやすくなり、教育の質が向上します。
営業同行の準備と当日の流れ
事前準備(前日まで)
- 訪問先企業の情報を確認する(事業内容、業界動向、過去の商談履歴)
- 同行の目的と当日の役割を上司と確認する
- 持ち物チェック(名刺、資料、ノート、筆記用具)
- 提案内容に対する質問を事前に準備する
当日の流れ
- 集合・最終確認(訪問15分前): 上司と合流し、当日の流れと役割を最終確認する
- 訪問・挨拶: 名刺交換、着席、アイスブレイク
- 商談: 上司の進行を観察しつつ、メモを取る。発言の機会があれば積極的に
- 撤収: お礼を述べ、エレベーターまでお見送り
- 振り返り: 移動中または帰社後、上司からフィードバックを受ける
営業フローの具体例も参考にしてください。
同行レポートの書き方とテンプレート
同行レポートは商談の学びを定着させるための重要なアウトプットです。商談当日中に作成し、上司にフィードバックを依頼しましょう。
同行レポートに記載する4項目
- 基本情報: 日時・訪問先企業名・参加者・商談の種類(初回/継続/クロージング)
- 商談の要点: 目的・議題・顧客の反応・決定事項・持ち越し事項
- 学びと気づき: 上司のトーク術で参考になった点、顧客対応で気づいた点、自分の改善点
- ネクストアクション: 次回までに準備すること、フォローアップのタスク
同行レポートテンプレート
■ 営業同行レポート
日時: 20XX年XX月XX日(X)XX:XX〜XX:XX
訪問先: 〇〇株式会社 △△部
参加者: (当社)□□部長、自分 /(先方)◇◇課長、▽▽様
商談種別: □初回 □継続 □クロージング □その他
■ 商談の目的
・(事前に設定した目的を記入)
■ 商談の要点・結果
・(議題ごとに要点と顧客の反応を記入)
■ 学んだポイント
【良かった点】
・(上司の対応で参考になったこと)
【改善点】
・(自分が次回気をつけるべきこと)
■ ネクストアクション
・(次回までに自分がやること)
・(フォローアップのタスク)
■ 上司コメント欄
・(上司がフィードバックを記入)
営業報告書の書き方とテンプレートも合わせて活用してください。
オンライン商談での営業同行
Web会議ツール(Teams、Zoom、Google Meet)を使った商談では、対面とは異なる形で営業同行を実施できます。
オンライン同行の3つの方法
- リアルタイム同席: Web会議にオブザーバーとして参加し、カメラ・マイクをオフにして観察する
- 録画レビュー: 商談を録画し、後から上司と一緒に視聴しながらフィードバックを行う
- ハイライト共有: 録画データの中から重要なシーンだけを切り出して共有する
録画レビューは対面同行よりも教育効果が高い場合があります。何度でも繰り返し視聴でき、特定のシーンを巻き戻して分析できるためです。複数の新人に同じ商談録画を共有することで、チーム全体のスキル底上げにもつながります。
aileadは対話データを安全に統合・構造化し、AIエージェントが業務を自動で動かすエンタープライズ基盤です。Teams・Zoom・Google Meetの商談を自動で録画・文字起こしし、話者ごとの発言を構造化して分析できます。上司が全商談に同行しなくても、録画データをもとに的確なフィードバックを行える環境を実現します。
500社超の導入実績でSFA入力工数90%削減、新人立ち上がり50%短縮を実現しています。お問い合わせからお気軽にご相談ください。
オンライン商談の成功率を上げる方法とオンライン商談のフィードバック方法も参考にしてください。
営業同行の効果を最大化するフィードバック方法
フィードバックの3原則
- 具体性: 「良かった」ではなく「〇〇の質問で顧客の本音を引き出せていた」のように行動ベースで伝える
- 即時性: 商談直後にフィードバックする。時間が経つと記憶が曖昧になる
- バランス: 良かった点を先に伝え、改善点を具体的に示す
効果的なフィードバックの構成
- 良かった点を2〜3つ具体的に挙げる
- 改善すべき点を1〜2つ、行動レベルで示す
- 次回の商談で試してほしいアクションを1つ提示する
AI営業コーチングの始め方では、録画データを活用した体系的なコーチング手法を紹介しています。
よくある質問
営業同行は何回すれば効果がありますか?
一般的に新人の場合3〜5回が目安ですが、商談の難易度や新人のスキルに応じて調整が必要です。重要なのは回数ではなく、各同行後に振り返りの時間を設けて学びを言語化することです。対話データを録画・記録しておけば、同行しなかった商談でもマネージャーが後からフィードバックできるため、効率的にスキル移転が進みます。
オンライン商談でも営業同行は可能ですか?
はい、Web会議ツール(Teams、Zoom、Google Meet)を使った商談であれば、オブザーバーとして参加したり、録画データを後から確認する形で同行と同等の教育効果を得られます。録画を活用することで繰り返し確認や複数メンバーでの共有が可能になり、対面同行以上の学習効率が期待できます。
営業同行のフィードバックはどのように行うべきですか?
商談直後にポジティブな点と改善点を具体的に伝えることが基本です。「〇〇の質問は顧客の課題を引き出せていた」「△△の説明は結論から話すとより伝わる」のように行動ベースでフィードバックします。対話データの録画を参照しながら振り返ると、曖昧な記憶に頼らず客観的な指導ができます。
営業同行レポートには何を書くべきですか?
同行レポートには「商談の基本情報(日時・顧客名・参加者)」「商談の目的と結果」「学んだポイント(良かった点・改善点)」「次回のアクション」の4項目を記載します。レポートは商談当日中に作成し、上司にフィードバックを依頼することで学びの定着が加速します。
営業同行で上司が注意すべきポイントは?
上司が注意すべきは3点です。①事前に目的と役割を明確にする(教育目的なのか案件推進なのか)、②商談中は新人に発言の機会を意図的に作る、③終了後に具体的な行動ベースでフィードバックする。新人が主体的に学べる環境を作ることが上司の最も重要な役割です。
まとめ
営業同行は「一緒に行く」だけでは効果が半減します。事前に目的と役割を明確にし、当日はマナーを守って積極的に学び、事後に同行レポートとフィードバックで学びを定着させる。この3ステップを徹底することで、新人の成長スピードが加速します。
オンライン商談が主流となった現在、録画データの活用は営業同行の効果を飛躍的に高めます。対話データの活用に課題を感じている方は、お問い合わせからご相談ください。
関連記事
ailead編集部
株式会社ailead
aileadの公式編集部です。営業DX・AI活用に関する情報を発信しています。



