目次
2026年6月現在、消費者物価指数(CPI)は前年比で上昇基調が続いており、最低賃金の引き上げ、円安150円台の定着、原材料費の高止まりが企業収益を圧迫しています。値上げのお知らせを出さざるを得ない局面で、担当者が直面するのは「どう伝えれば顧客離れを最小化できるか」という一点です。
本記事では、値上げメールの書き方5ステップ、コピペOKのメール例文テンプレート12選、交渉心理学に基づく成功パターンまで、2026年最新版で解説します。
値上げのお知らせメール 書き方5ステップ
値上げメールを作成する際は、以下の5ステップで設計すると顧客の信頼を損なわずに伝えられます。
- やむを得ない理由を客観的データで示す(CPI、業界価格指数、為替など第三者データを根拠に提示)
- 値上げの実施日と新価格を明確に記載する(曖昧な表現は不信感の原因になる)
- 顧客への配慮を明示する(猶予期間、経過措置、段階的値上げなどの選択肢を提示)
- 値上げ後も提供価値が増すことをセットで伝える(品質向上、新機能追加、サポート強化など)
- 担当者連絡先を明記し質問・相談を受け付ける姿勢を示す
中小企業庁「価格交渉ハンドブック」(令和8年1月改定版)でも、コスト算定根拠を示したうえでの価格交渉が双方の合意形成を促進すると明記されています。商談準備の精度を高める組織図活用法も確認し、事前準備を整えましょう。
コピペOK 値上げ・価格改定メール例文テンプレート12選
件名・本文・署名まで含む完全な例文です。シーンに応じてお使いください。
BtoB法人向け値上げメール例文(6選)
例文1:既存顧客(一般向け・BtoB)
件名:【重要】価格改定のお知らせ(〇〇月〇〇日より)
〇〇株式会社 〇〇様
平素より大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
このたび、原材料費・人件費の継続的な高騰を受け、誠に恐れながら弊社サービスの価格を改定させていただくこととなりました。
■ 改定内容 ・対象:〇〇サービス全プラン ・改定後価格:〇〇円(現行 〇〇円) ・適用開始日:〇〇年〇〇月〇〇日より
これまで価格据え置きを継続してまいりましたが、現状のコスト水準では品質を維持したサービス提供が困難な状況となっており、やむを得ず価格改定の判断に至りました。
ご不明点・ご相談がございましたら、担当の〇〇(〇〇@example.com)までお気軽にお問い合わせください。
引き続きご愛顧いただけますよう、心よりお願い申し上げます。
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇
例文2:新規取引先・商談中の企業向け
件名:ご提案価格に関するご連絡
〇〇株式会社 〇〇様
先日ご提示しておりました見積もりに関して、誠に恐れながら一点ご連絡がございます。
現在の原材料・輸送コストの上昇を受け、〇〇月〇〇日以降のご契約分より価格を改定させていただく予定です。現行のご提案価格でのご契約は〇〇月〇〇日が締め切りとなります。
ご検討のタイミングと重なり大変恐縮ではございますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。 ご不明点がございましたら、いつでもご連絡ください。
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇
例文3:SaaS・サブスクリプション向け(月額改定)
件名:【重要】〇〇サービス 月額料金改定のお知らせ(〇〇年〇〇月より)
いつもご利用ありがとうございます。〇〇サービス運営チームです。
このたび、サービスの継続的な品質向上と安定運用のため、月額料金を以下のとおり改定させていただきます。
■ 改定内容 ・現行月額:〇〇円(税抜) ・改定後月額:〇〇円(税抜) ・適用開始:〇〇年〇〇月請求分より
現在ご契約中のお客様には、〇〇年〇〇月末日まで現行価格を適用いたします。
引き続き高品質なサービスをご提供できるよう努めてまいります。ご不明な点はサポートデスク(support@example.com)までご連絡ください。
〇〇サービス運営チーム
例文4:製造業・資材取引向け
件名:原材料価格改定に伴う出荷価格改定のご案内
〇〇株式会社 購買部 〇〇様
平素よりご高配を賜り厚く御礼申し上げます。株式会社〇〇 営業部の〇〇です。
このたび、〇〇および関連素材の市況価格の大幅な上昇を受け、誠に不本意ながら弊社製品の出荷価格を改定させていただくこととなりました。
■ 改定概要 ・対象品目:〇〇シリーズ全品番 ・改定率:現行価格より〇〇%引き上げ ・適用開始:〇〇年〇〇月〇〇日出荷分より
生産コストの削減努力を重ねてまいりましたが、昨今の〇〇価格の上昇幅は自助努力の範囲を超えており、やむを得ない判断となりました。詳細は別紙をご確認ください。 ご不明な点・ご相談は担当〇〇(TEL: 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇)までお申し付けください。
株式会社〇〇 営業部 〇〇
例文5:サービス業(コンサルティング・受託)向け
件名:弊社サービス費用改定のご案内
〇〇株式会社 〇〇様
平素より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび、専門人材の確保・育成コストの上昇等に対応するため、〇〇年〇〇月より弊社サービスの費用を改定させていただくこととなりました。
■ 改定内容 ・対象:〇〇コンサルティングサービス全般 ・改定幅:現行費用より〇〇%増 ・適用開始:〇〇年〇〇月〇〇日以降の新規・更新契約より
ご継続いただいている契約については、更新時より新料金を適用いたします。なお、今回の改定後もサービス品質の向上に努めてまいります。 ご質問・ご相談は担当〇〇(〇〇@example.com)まで何なりとお申し付けください。
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇
例文6:人件費上昇を理由とした値上げ(BtoB全般)
件名:【重要】人件費上昇に伴うサービス料金改定のご案内
〇〇株式会社 〇〇様
平素より大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
このたび、最低賃金の引き上げおよび人材確保にかかる採用・育成コストの上昇を受け、弊社サービスの料金を改定させていただくこととなりました。
■ 背景 2026年度の最低賃金引き上げに加え、専門人材の採用市場の逼迫により、サービス提供に必要な人件費が前年比〇〇%増加しております。
■ 改定内容 ・対象:〇〇サービス ・改定幅:現行価格より〇〇%引き上げ ・適用開始:〇〇年〇〇月〇〇日より
サービス品質の維持・向上に向けた投資として何卒ご理解いただけますと幸いです。ご質問やご相談がございましたら、担当〇〇(〇〇@example.com)までお気軽にご連絡ください。
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇
BtoC・業種別値上げ通知テンプレート
例文7:段階的値上げ(フェーズ分割方式)
件名:価格改定のお知らせ(2段階実施のご案内)
〇〇株式会社 〇〇様
平素よりお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
原材料費・エネルギーコストの継続的な上昇を受け、今後2段階で価格を改定させていただくこととなりました。急激な価格変更による御社の予算調整への影響を最小化するため、段階的な適用とさせていただきます。
■ 第1フェーズ(〇〇年〇〇月〇〇日より) 現行価格より〇〇%引き上げ
■ 第2フェーズ(〇〇年〇〇月〇〇日より) 第1フェーズ価格よりさらに〇〇%引き上げ
段階的な移行により、御社の調整期間を十分に確保できるよう配慮いたしました。ご不明な点がございましたら、担当〇〇(〇〇@example.com)までご連絡ください。
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇
例文8:BtoC向け(一般消費者・EC・通販)
件名:【重要なお知らせ】商品価格改定のご案内(〇〇月〇〇日より)
いつも〇〇をご利用いただきありがとうございます。
このたび、原材料・物流コストの上昇を受け、誠に残念ながら一部商品の価格を改定させていただくこととなりました。
■ 改定対象・時期 ・対象商品:〇〇シリーズ ・改定後価格:〇〇円(現行〇〇円) ・適用開始:〇〇年〇〇月〇〇日のご注文分より
〇〇月〇〇日までのご注文は現行価格でお求めいただけます。ご利用の機会としてご活用ください。
今後もより良い商品・サービスをお届けできるよう努めてまいります。何卒ご理解いただけますと幸いです。
〇〇カスタマーサービス
例文9:建設・工事業・不動産向け(取引先企業)
件名:施工費用改定のご案内(〇〇年〇〇月受注分より)
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様
平素よりご発注いただき誠にありがとうございます。株式会社〇〇の〇〇です。
建設資材(鉄筋・コンクリート・木材等)および人件費の大幅な上昇を受け、〇〇年〇〇月〇〇日以降のご受注分より施工費用を改定させていただくこととなりました。
■ 改定概要 ・対象:新規受注案件(〇〇年〇〇月〇〇日以降のご発注分) ・改定幅:現行見積もり比〇〇%程度の引き上げ(案件規模により変動) ・既存契約:現行価格を維持(変更なし)
引き続き安全・高品質な施工でお応えしてまいります。詳細は担当〇〇(TEL: 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇)にお問い合わせください。
株式会社〇〇 〇〇部 〇〇
例文10:医療・福祉・介護向け(委託先・仕入れ先)
件名:委託費用改定のご案内(〇〇年〇〇月より)
〇〇様
平素より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
専門スタッフの確保・育成にかかる人件費の上昇、および消耗品・設備メンテナンスコストの高騰を受け、誠に恐縮ではございますが〇〇年〇〇月より委託費用を改定させていただく運びとなりました。
■ 改定内容 ・現行月額委託費:〇〇円 ・改定後月額委託費:〇〇円 ・適用開始:〇〇年〇〇月〇〇日より
引き続き安心・安全なサービスの提供に努めてまいります。ご不明点は担当〇〇(〇〇@example.com)までお気軽にご相談ください。
〇〇株式会社
SaaS年間契約の更新時
例文11:SaaS年間契約の更新時(既存顧客向け)
件名:【ご契約更新のご案内】〇〇サービス年間プランの価格改定について
〇〇株式会社 〇〇様
いつも〇〇サービスをご利用いただきありがとうございます。
このたび、〇〇年〇〇月〇〇日の年間契約更新にあたり、価格を改定させていただく旨をご案内いたします。
■ 更新後の年間プラン料金 ・現行:〇〇万円(税抜) ・改定後:〇〇万円(税抜) ・適用:〇〇年〇〇月〇〇日の更新分より
サーバーインフラ費・開発費の上昇に対応するための改定となります。引き続き機能強化・サポート品質の向上にも取り組んでまいりますので、引き続きご愛顧いただけますと幸いです。
ご不明点・ご相談がある場合は、更新日の〇〇日前までに担当(〇〇@example.com)へご連絡ください。
〇〇サービス運営チーム
建設業向け単価改定
例文12:建設業・元請→下請間の労務単価改定
件名:労務単価改定のお願い(〇〇年〇〇月以降の新規発注分)
〇〇建設株式会社 工事部 〇〇様
平素より協力会社としてお引き立ていただき、誠にありがとうございます。株式会社〇〇の〇〇です。
2026年度の最低賃金引き上げおよび建設技能労働者の賃金水準見直し(国土交通省 公共工事設計労務単価改定)を受け、〇〇年〇〇月以降の新規発注分より労務単価の改定をお願いしたく、ご連絡いたしました。
■ 改定のお願い内容 ・対象:〇〇工事における労務費(技能者・職長・普通作業員) ・改定幅:現行単価より〇〇%程度の引き上げ ・適用:〇〇年〇〇月〇〇日以降の新規発注分 ・既存契約:現行単価を維持
国土交通省の設計労務単価は過去最高水準まで引き上げられており、技能労働者の処遇改善と担い手確保のため、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
詳細は改めてお打ち合わせの場を設けさせていただければ幸いです。ご都合の良い日時を担当〇〇(TEL: 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇)までご連絡ください。
株式会社〇〇 工事部 〇〇
値上げ交渉を成功させる5つのコツ
メール告知の前後を通じた「交渉の質」を磨くことが、値上げを乗り越えるための本質です。値引き交渉を避ける営業の進め方も参考にしながら、価格主導でなく価値主導の商談設計を心がけましょう。
1. やむを得ない理由を客観的データで示す
「原材料が高騰しているため」という説明だけでは不十分です。CPI(消費者物価指数)、業界団体の価格指数、自社のコスト増加率など、第三者データを根拠として提示することで説得力が増します。
中小企業庁「価格交渉ハンドブック」(令和8年1月改定版)では、コスト算定根拠を示した価格交渉が合意形成を促進すると明記されています。
2. 業界全体の動向であることを伝える
同業他社も同様の状況に直面していることを補足すると、「自社だけが割高になっている」という懸念を払拭できます。業界団体の発表や公開情報を引用する形が効果的です。BtoB営業の基本にも、顧客の「4つの不」を解消する考え方が示されています。
3. 顧客への配慮(猶予・経過措置)を明示する
段階的値上げ(例:第1フェーズ+5%→6カ月後に第2フェーズ+5%)は、心理学的な「損失分割」効果により、一括値上げより受け入れられやすい傾向があります。顧客の4つの不を解消する方法も参考に、心理的障壁を意識した交渉設計を心がけましょう。
4. 値上げ後も提供価値が増すことをセットで伝える
価格改定に合わせたサービスアップデートや品質向上がある場合は必ずセットで伝えます。営業フォローアップメールの書き方も参考に、価値を継続的に示すコミュニケーション設計を心がけましょう。
5. 決裁者を早い段階でフォローする
BtoB営業の場合、担当者だけでなく購買・財務の決裁者が最終判断に関わります。クロージングの成約率を上げるポイントの観点からも、決裁者との接点を早めに確立することが値上げ交渉を円滑に進める鍵です。商談の議事録の書き方を活用して、決裁者への報告資料を正確に残しましょう。
対面・オンライン別の値上げ伝達テクニック
「どの手段で伝えるか」も交渉結果を左右します。
対面商談の場合は、最初に担当者へ口頭で概要を伝え、その場で質問や懸念を受け付けます。書面(見積書・改定案内状)をその場で手渡し、詳細を確認してもらいましょう。「次回訪問時に正式な書面をお持ちします」と段階を踏むことで唐突感を和らげられます。
オンライン商談の場合は、Zoom、Teams、Google Meetを活用して顔を見せながら伝えます。口頭での説明後にメールで改めて書面送付し、相手が後から確認できる状態にしましょう。メール単体での告知は誤解を生みやすいため、重要顧客には必ず口頭説明を先行させます。商談の振り返り活用法も参考にしながら、商談前後のプロセスを見直してみましょう。
値上げ後のフォローアップ戦略(解約防止3ステップ)
告知・交渉が完了した後の「フォローアップ」こそが、長期的な顧客関係の維持を決めます。
- Step 1:値上げ実施後の初回請求時に確認連絡: 請求書発行と同時に担当者へ一言連絡を入れ、不満や疑問がないかを確認します
- Step 2:1〜2カ月後の満足度フォロー: 値上げ後のサービス利用状況や満足度を確認するアンケートや電話フォローを実施します。継続的な接触が「値上げ後に対応が変わった」という不満を予防します
- Step 3:年次レビューで価値を可視化: 毎年の取引振り返りの場で、提供した成果・KPIを可視化することで「この金額を支払う意味がある」という認識を更新し続けます
営業マネージャーの役割としても、こうしたフォロー体制の設計はチーム全体の課題です。営業センスの特徴と共通点の観点からも、値上げ告知後の顧客反応に過度に一喜一憂せず、丁寧なフォローを継続することが長期的な成果につながります。
aileadで値上げ交渉の成功率を上げる方法
aileadは、商談・会議の対話データを安全に統合・構造化し、AIエージェントが業務を自動化する対話データAIプラットフォームです。値上げ交渉のデータ活用に特に効果を発揮します。
値上げ交渉への具体的な活用例:
- 成功パターンの抽出: 過去の値上げ交渉の商談から、顧客の承諾を得た際に共通するトーク・言い回し・説明順序をAIが自動で分析・抽出する
- 懸念点の事前把握: 顧客が交渉中に示した懸念・反論のパターンをデータ化し、次回の商談準備に活かす
- チーム内の横展開: トップ営業担当の成功交渉を構造化してナレッジ共有し、チーム全体の交渉力を底上げする
500社超の導入実績を持つaileadで、「感覚頼みの交渉」から「データに基づいた再現性のある交渉」へ進化できます。営業フローの最適化と合わせて、交渉プロセスの全体設計を見直してみましょう。
まとめ
値上げは避けて通れない経営判断ですが、伝え方次第で顧客の信頼を強化する機会に変えられます。本記事のメール例文テンプレート12選をベースにカスタマイズし、交渉心理学に基づいた5ステップで設計することで、値上げ交渉の成功率を高められます。異動の挨拶メールやお礼メールのフォーマットも参考に、顧客との継続的なコミュニケーションを大切にしましょう。
関連記事
- 営業フォローアップメールの書き方
- 値引き交渉を避ける営業の進め方
- クロージングの成約率を上げるポイント
- 営業センスの特徴と共通点
- 商談の振り返り活用法
- 商談準備の組織図活用法
- BtoB営業の基本
- 営業フローの最適化
- お礼メールのフォーマット
- 異動の挨拶メール
- 営業の4つの不を解消する方法
- 商談の議事録の書き方
ailead編集部
株式会社ailead
aileadの公式編集部です。営業DX・AI活用に関する情報を発信しています。



